【禅語】あなたの人生にヒントを与えてくれる、禅のことば5選
今、座禅がこころのリフレッシュ法として、
ビジネスマンの間で注目されるなど、ブームになっています。
ところで、
禅語(ぜんご)って知っていますか?
座禅には、その精神をあらわす禅のことばがあります。
禅語は、私たちの日常の心構えにも通じるところがあり、
昔から多くの人に愛されてきました。
この記事ではみなさんに心にしみる禅語をご紹介します!
禅語をより楽しむために、座禅の歴史についてはこちら
【座禅の歴史】臨済宗と曹洞宗を通じて、座禅が日本に伝わるまで
村上 太郎
神社お寺を知ってもらうため、100年後も読まれる記事を目指しています。毎朝の坐禅が日課。
禅のことば5選
言葉よりも行動が大切、『不立文字』
不立文字(ふりゅうもんじ)とは、
「(お釈迦さまの教えは、)文字で伝わるものではない」
という意味です。
「文字で伝わるものではない」という意味をもう少し詳しく説明すると、
お経の言葉から離れて、お釈迦さまのようにひたすら座禅をし、
からだで体験することで悟りを実感しなさい、ということです。
また、悟りの境地は言葉で説明することができない、
という意味も込められています。
不立文字は、達磨大師(だるまだいし)の教えである、禅をする上で、四つの大切な心得の一つです。
考えこんでしまい、手も足も出なくなること、ありませんか?
そんなときには言葉でなく、身体で実践することが大切、ということですね。
『身心脱落』で悟りを開いた道元
身心脱落(しんじんだつらく)とは、
曹洞宗(そうとうしゅう)を開いた道元(どうげん)が
悟りを開いたきっかけになった言葉で、
「身体も精神も束縛から解き放たれること」
という意味です。
道元が中国へ禅を学びに渡っていたとき、
師匠が、座禅中に寝ていたお坊さんをしかりました。
「座禅をするのは身心脱落のためである。
居眠りしていては悟りを得られないぞ」
この師匠の言葉を聞いたときに、
突然ひらめいた道元は、悟りを開きました。
そして道元は師匠に「悟りました」と伝えるために、
「身心脱落」と言ったと伝えられています。
ちなみに、道元は只管打坐(しかんたざ)という言葉を残しています。
これは、
「ただひたすらに座ること」
という座禅の心得を表した言葉です。
一番有名な禅問答、『狗子仏性』
狗子仏性(くしぶっしょう)は、
昔、趙州(じょうしゅう)というお坊さんが弟子と対話したエピソードです。
早速、どんなエピソードか見てみましょう。
ある弟子が趙州に質問をしました。
弟子 「犬は悟りを開く可能性を持っているでしょうか?」
趙州 「あります。」
弟子 「犬は悟りを開く可能性があるのに、なぜ人間ではなく犬の姿をしているのでしょうか?」
趙州 「犬は悟りを開く可能性を持っていると自分で知っています。あえて犬の姿をしているのです。」
また別の弟子が趙州に質問をしました。
弟子 「犬は悟りを開く可能性を持っているでしょうか?」
趙州 「ないです。」
弟子 「全ての生き物には悟りを開く可能性があると、お経に書かれています。どうして犬には悟りの可能性がないのでしょうか?」
趙州 「犬には積み上げられてきた迷いの心があるからです。」
同じ質問でも、趙州の答えはまったく反対のものでした。
不思議ですね。
諸説あるのですが、この話には
「物事は”ある”や”ない”といった一つの面だけでとらえることはできない」
という意味があるとも言われています。
こうした禅の修行で大切にされているエピソードのことを、
公案(こうあん)といいます。
なかでも狗子仏性は、一番有名な公案として語り継がれてきました。
また、こうした師匠と弟子の対話は、
禅問答(ぜんもんどう)と呼ばれています。
曹洞宗のひたすら座りつづける座禅とは異なり、
臨済宗では、悟りを開くために、師匠から出された公案を考えながら座禅を組みます。
『日々是好日』で毎日を大切に
日々是好日(にちにちこれこうにち)とは、
「過ぎたことを忘れ、一瞬一瞬を大切にして精一杯生き、よい一日にしなさい」
という意味です。
この言葉にも、元となるエピソードが伝わっています。
昔、中国に雲門というお坊さんがいました。
雲門は、修行している若いお坊さんに言いました。
雲門 「ここまでの15日間のことはお前に聞いたりしません。
その代わり、これからの15日間をどうするか一言で言ってみなさい。」
しかし、若いお坊さんは何も答えませんでした。
そこで雲門は自分の問いに自分で答えます。
雲門 「日日是好日」
今までの15日間のことは忘れ、次の15日間をいいものにしていこう、
そういう雲門の気持ちが、日々是好日という言葉にあらわれています。
私たちの日常では、良いことも悪いことも起こります。
一つのことにくよくよするのではなく、過ぎ去ったことは忘れ、
今を大切に生きていこう、ということですね。
大切なものは目の前に、『祖師西来意』
祖師西来意(そしせいらいい)は直訳すると、
「インドから中国に禅を伝えた達磨大師は、なぜ中国に来たのか」
という仏教における大切なできごとを指します。
そこから転じて、
「禅の一番大切なものとは、なにか?」
という意味になりました。
先ほど狗子仏性(くしぶっしょう)で出てきた趙州(じょうしゅう)は、
弟子から祖師西来意についても聞かれたことがありました。
そこで趙州は「庭前柏樹子(ていぜんはくじゅし)」と答えます。
庭先にあるような木と同じように、禅の極意は目の前にある、ということです。
大きな問いにぶつかったとき、私たちは難しく考えすぎてしまうことがあります。
そんなとき、大切なものは目の前にあるのかもしれませんね。
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございます。
いかがでしたか?
人生の役に立つヒントが隠されている禅語を紹介しました。
初めは難しいようですが、
次第に私たちのこころをスッキリさせてくれます。
気になった言葉がある方は、ぜひ繰り返し読んで味わってみてください。
禅の雰囲気にひたった後は、そのまま座禅を組んでみませんか?
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