薬師堂
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菅の獅子舞は、薬師様の命日である9月12日に近い日曜日に、薬師堂境内の土俵で舞われます。この獅子舞の由来については、いくつかの記録が残されています。まず、菅の佐保田家に伝わる古文書『薬師堂縁起』によると、文治3年(1187)にこの地方の領主であった稲毛三郎重成が薬師堂を建立したとき、児童に獅子戯の舞祭をさせた事が初めてと書かれています。また、明和8年(1771)の法泉寺の古文書に、菅村の人々が毎年虫風祭りとして行っていた獅子角力踊りが12年前から停止されていたので復活させて欲しいと願い出た記録があります。さらに、天保7年(1836)に出された『江戸名所図会』に「毎年8月12日獅子舞ならびに弓を横たえて踊ることあり」と記されています。いずれにせよ五穀豊穣、疫病退散を祈って古くから獅子舞が行われていたようです。
菅の獅子舞は雄獅子(おじし)、雌獅子(めじし)、臼(久)獅子(きゅうじし)と天狗(てんぐ)(幣負(へいおい))の4人で舞う、1人立3頭形式で、これに笛と唄がつきます。
4人の舞手は、昔は菅に住む家柄のよい農家の長男とされていました。4人揃っての代替わりは現在でも固く守られています。一代前の舞手は「親獅子」と呼ばれ、舞の指導ばかりでなく、日常生活でも強いつながりを持っています。
祭りの当日は法泉寺で支度をし、紋付羽織袴の役員を先頭に行列を組んで薬師堂へ進みます。菅の獅子は「旅獅子」とも呼ばれ、白足袋にわらじ履きという足支度で、舞の筋書きや唄の中には旅の道中であることを示す部分もあります。また、獅子と天狗の腰には五色の御幣がさしてありますが、これは安産のお守りとして大変人気があります。
菅の獅子舞は平成13年(2001)、県指定無形民俗文化財に指定されました。
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