鳥居が語るもの（その３）

昨日の右側に続きまして本日は左側。
「 旃 蒙 卯 晩 穐 吉 祥 日 鐫 」と刻まれております。
再び一文字ずつ見てゆきたいと思います。
★『旃』
①旗、②毛織物、③これ
★『蒙』
①蒙る、②暗い、③幼い、④犯す、⑤進んでする、⑥欺く
★『卯』
①十二支の４番目、②東、③干支でいうところの地支のウサギ
？？
ここまで見てきても全く解りませんよね？？
実は、「旃蒙」の二文字で熟語を形成し、「乙（きのと）」を表すことが解りました。下の文字の卯と結びついて「乙卯（きのとう）」となり、昨日出てきました安政二年の干支は乙卯年でした。
熟語が続きますのでさらっと進みます。
★『晩穐』
穐は「秋」の旧字体ですので、秋も終わる頃の意。
★『吉祥日』
縁起の良い日。
★『鐫』
彫る、つまり鳥居に文字を刻むこと。
以上のことから、「 旃 蒙 卯 晩 穐 吉 祥 日 鐫 」とは、「乙卯年の秋も終わる頃、縁起の良い日に刻む」と解することが出来ると思います。
次回はいよいよクライマックス、表面と鳥居が建立された背景についてはまた明日…