『伝える御首題』は、御朱印、御首題を通じて、お経の言葉をお伝えするべく、1つの布教活動との認識で墨書押印しております。示唆に富んだお釈迦様の教えに触れる機会として頂き、何かしらの気づきが得られるものであることを願っております。
過去の『伝える御首題』は、以下リンクより。
・本昌寺ホームページ
https://honsyouzi.net/goshuin.html
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●伝える御首題Episode23
妙法蓮華経 化城喩品第7より
『十二因縁法』
Episode22『是苦滅道』に続く言葉で、『及広説 十二因縁法』とあり、『十二因縁』について、説かれる場面があります。
Episode22でお話した『八正道』とか、Episode19の『六波羅蜜』などと同様に、仏教の大切な教義の1つです。
昨日の投稿で、十二因縁とは、
『苦が生じるその因果関係を体系的に理論化したもの』
と、お伝えしました。
結果に原因あり。
因果の法則と呼ばれるものですが、原因からいきなり結果に繋がるわけではなく、そのプロセスでたくさんの『縁』が複雑に絡み合っています。
植物の種を植えた(原因)
花が咲いた(結果)
だとしても、
太陽の恵み(縁)
適量の水(縁)
など、上記に限らず、無数の縁が絡み合うことで、花が咲くという結果になります。
この考え方から、
『苦しみには原因がある』
ということから、その苦しみという『結果』に至るまでの『縁』、そして『原因』を体系的に理論化したもの。
それが『十二因縁』ということで、以下になります。
1、無明・・・智慧のない状態、真理が見えない状態。(苦の根本原因)
2、行・・・無意識に行動してきたことによって形成される心の習性。(経験)無明ゆえに行が生じる。
3、識・・・行(無意識の行動)によって形成される、自身の認識や判断
4、名色・・・自分勝手に自分の存在を永遠に存在するかのように認識する意識。識の発達形。
5、六処・・・五感である眼・耳・鼻・舌・身で感じたものに対して意(心)が働き、分別しようとする意識。名色の発達形。
6、触・・・名色と六処の働きによって起こるもの。意識的に物や事の判断が出来る状態。
7、受・・・触(物事が識別できる)によって生まれる最初の感情(悲しい・苦しい・楽しい・嬉しい・好き・嫌い)
8、愛・・・渇愛・愛着(欲望)のこと。これによって執着心や嫌悪が生じる状態。受によって愛が生じる。
9、取・・・愛(愛着・執着)によって生じる、自分本位な心の働きが起きている状態。
10、有・・・取(自分本位な心の働き)によって、自分の立場で物事を主張するようになり、差別や区別に囚われている状態。
11、生・・・有によって作られた業により、輪廻転生し再び生まれる。
12、老死・・・生を受ければ、またやがて老いて死を迎える。
これらは一方通行的なものではなく、相互に関係し合っている・・・
で、結論としては、苦しみの根本原因である『無明』を断ち切らないと、『苦』を断ち切ることは出来ません・・・と。
「もうやめろーーーーーーー!!」
って声が聞こえてきそうでヒヤヒヤしてます😓
ひとまず、ここまでの小難しい話は置いておいて・・・
今回の御首題は、『十二因縁』という言葉は墨書せずに、十二因縁の関係性を私の脳内イメージで、墨書押印致しました。
そしてご覧の通り、『愛』の箇所だけ色を変えてみました。
『愛』は可愛らしく朱墨で書いちゃおう💖
ってことじゃないですよ〜
『愛』というと良い言葉に聞こえるかもしれませんが、仏教で用いられる『愛』は『渇愛』のことを指していて、強い欲望を示す言葉です。
世間一般で認識されるイメージの言葉ではありません。
ではなぜ、『愛』だけ色を変えたの?
ってことなんですが、
これは、十二因縁の中でも、現世の行いであり、やがてやってくる未来の原因となる『愛』をどうするか問題は、とっても重要な項目だからです。
お釈迦様は・・・と言いますか、悟りを開くというのは、この十二因縁の輪廻から解脱することです。
修行に励まれ、智慧を育み、1の『無明』を断ち切るということで、仏道を求める修行者であれば、目指すべきは『無明』を断ち切ることなのかもしれませんが・・・
道が険しすぎる〜〜
そこでまず『愛』に注目!!
『愛』をどうするか問題勃発です!!
したい! したくない! 好きだ! 嫌いだ! 美味しい! 美味しくない!
物事を識別すること(6、触)によって、感情が生まれる(7、受)。
ここまでははまぁ仕方がない。
でも、そこから渇愛(8、愛)によって生じる執着、あるいは嫌悪。
食べたい!食べたい!食べたい!(執着)
嫌い!嫌い!嫌い!(嫌悪)
この感情を過度に成長させないように、意識を向けておくことは大切かなぁと。(Episode10少欲知足)
渇愛が肥大化しないよう、自分自身に言い聞かせながら墨書押印させて頂きます。
※十二因縁を詳しくお伝えするという視点ではなく、『愛』に着目してお伝えしましたことをご了承下さいませ。
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