◎ホトカミ限定記事11◎御朱印ヒストリー④

当神社では各種SNSアカウントを持っていますが、時々ホトカミ読者様だけに向けた記事も書いていこうと思います。(11回目)

外出自粛の日々が続く中、寺社へのお参りも控えていらっしゃる方も多いのではと思います。
当神社にお心を寄せてくださっている皆様に楽しんでいただけたらと思い、これから数回に渡りこれまでの4年間でお分かちしてきた御朱印にまつわるエピソードをお話ししたいと思います。

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当神社では現在3種類の御朱印帳を頒布しており、そのラインナップは①ブルー御朱印帳(小)②ピンク御朱印帳(大)③紫御朱印帳(大)です。本日はそれぞれの御朱印帳の誕生秘話についてお話ししたいと思います。

①ブルー御朱印帳(小)

オリジナル御朱印帳の記念すべき第一弾です。

表面には御本殿、裏面には釧路の夕日の名所である幣舞橋を描いています。御本殿の前にいるのは厳島神社の神使の動物とされる鹿です。
宮島の厳島神社とは異なり当神社では鹿の飼育を行なっておりません。
港町の高台に鎮座し周囲は港と住宅街のため、鹿たちが普段住みつくような立地ではありませんし、どのようにここまで移動してきているのかわからないのですが、神さまに導かれるように時々境内に現れます。

ある年の夏、群れになった鹿が御本殿の前に横一列に並んだところを偶然目撃しました。
その姿はまるで神さまをお守りしているかのようであまりの神々しさに鳥肌が立ちました。
そのときの衝撃が忘れられず、初めて皆様にお分ちをする御朱印帳にも鹿の絵を織り込みました。

初穂料　1,600円(カバー付き)


②ピンク御朱印帳(大)

当神社の参拝者は女性の方が若干多いということもあり、女性向けのかわいい御朱印帳を作りたいと思い立ち、御朱印の弁天さまをモチーフにデザインを練り始めました。

ところがここから皆様にお分かちをするまで、なんと1年以上かかることになるのです…。

デザイン発案の当初は明治時代に奉納された弁天さまの掛け軸を元に検討をしていました。(この話はまた別の記事にて詳しく書きたいと思います)
日本画らしい繊細な絵で素晴らしいのですが、どうにも「かわいい！」とは程遠く、何度もデザイナーの方とやり取りをするうちについに行き詰まってしまいました。

そこでこの掛け軸から少し離れ、今私たちが生きる現代に弁天さまが現れたら…とイメージを転換してみました。
弁天さまは美の女神とも呼ばれているため女性が憧れる女性像を反映し、よりわかりやすいイメージにするためお顔をアニメ化しました。
余談ですが御朱印帳を開いた時に弁天さまの使いである白龍の形がハート型♡になります。

結果的に掛け軸の絵とはかなりかけ離れましたが、参拝者の方には「かわいい！」と好評をいただき嬉しいです。女性向けに奉製したつもりでしたが意外にも男性からもご支持をいただいています！

初穂料　1,800円(カバー付き)


③紫御朱印帳(大)

昨年は平成から令和への御代替わりがありました。当神社としても天皇陛下の御代をお祝いさせていただきたいと思い、ピンク御朱印帳のデザインを元に令和限定の御朱印帳を奉製しました。(数量限定ではありません)

背景の色の他に少しだけ変わっている箇所があるのをおわかりいただけますでしょうか？
白龍が「令和」の玉を持ち、裏面の「厳島神社」の文字を移動しています。

現在のところ1番人気はこちらの御朱印帳なのですが、その理由となっているのはおそらく1ページ目に「釧路國」の文字と石川啄木の歌の印があるからなのではないかと思います。
当神社の御朱印は見開きなので通常1ページ目は空白とさせていただくのですが、来釧の思い出となるお土産のようなものをお分ちしたいと思い始めました。

釧路國とは戊辰戦争終結直後に制定された地域区分のひとつで、十勝地方やオホーツク地方の一部も含まれていました。当神社はその中の一之宮であり、旧社格は県社です。

また明治を代表する歌人 石川啄木はここ釧路の地にも滞在しいくつもの歌を詠みました。
その中で「しらしらと　氷かがやき　千鳥なく　釧路の海の　冬の月かな」という釧路の冬の厳しさをうたった歌の印(当神社に古くから伝わる木製印)を押しています。ちなみにこの歌の歌碑は神社に隣接する米町公園にもあります。

初穂料　2,000円(カバー付き)


いずれの御朱印帳も無記帳のものに限り郵送でもお送りしております。
初穂料と郵送代(370円)を現金書留(口座振替も対応可)にてお送りいただき、その折り返しで御朱印帳をお送りいたしますので、ご希望の方は社務所またはメールにてお問い合わせください。

〒085-0842
北海道釧路市米町1-3-18
厳島神社
0154-41-4485
info@kushiro-itsukushimajinja.com


◆次回につづく◆