仏教を考える　2021年2月号

本尊について


　礼拝の対象として寺院や仏壇の中心に祀られるものを本尊という。本尊として祀られるものは宗派や寺院によって様々である。形式としては、仏様の姿を表した仏像や仏画、仏様や経典の名前を記した名(みょう)号(ごう)、仏様の世界や経典の内容を図絵で描いた曼(まん)荼(だ)羅(ら)などがある。

　浄土宗の寺院は阿弥陀様の仏像を本尊とする所が多いが、その寺院の成り立ちや歴史によってはそれ以外を祀る所もある。仏壇屋さんで浄土宗用の仏壇が欲しいと言えば、阿弥陀様の仏像か仏画を本尊とするものを勧められるだろう。

　仏教には数多くの仏様と経典が存在している。教えを実践する方法も様々である。まずはその中から自分にとって最適の教えを探す。そして何を信じて何を本尊として祀るか。それを決めるのは自分自身である。

　本尊とは単なる礼拝の対象ではない。自分が仏教の教えをどのように受け止めて実践していくか、その気持ちの表れでもある。それを思って本尊を大切に祀って欲しい。