しおふねかんのんじ|真言宗醍醐派|大悲山
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#観音寺 #塩船観音寺
ご本尊は千手観音。左右に眷属の二十八部衆も祀る。蓮華王院(京都市東山区)とは異なり、風神・雷神も二十八部衆に含まれる。
#二十八部衆 #雷神
僕はいまだ懐疑的だが、蓮華王院HPに、風神・雷神の起源はインド神話のヴァーユとヴァルナだとある。彼らは風天・水天と漢訳されて日本へ伝わっており、十二天にも名を連ねる。
風神・雷神と風天・水天では姿がまるで違う。パラグライダーのような袋に風をはらませる風神や、太鼓を背負う雷神のイメージは、あちらによれば完全に日本オリジナルで、蓮華王院の像が以降の作風を固定させたと。
ヴァルナは水天と訳されたように、元は雨を含む水の神様。大昔は全能の神とされたらしいのだが、お釈迦さまよりも遥かに前のことだ。
一方、雷の神様はインドラ。帝釈天のことだが、彼はすでに二十八部衆にいる。それ以前に、日本の帝釈天には雷神という性格がほとんど残っていないと聞く。
密教大辞典には、そもそも風神・雷神を千手観音の眷属と解する理由は、千手観音造次第法儀軌という書物に、二十八部衆のメンバーとして水化雷電神が挙げられていることだ、とある。これでは風神・雷神ではなく水神・雷神にならないか、という気がしないでもない。が、水の神と風神・雷神を結び付けることは、全く根拠を欠く俗説でもない、とだけは言えそうだ。


#観音寺 #塩船観音寺
ご本尊は千手観音。左右に眷属の二十八部衆も祀る。
#二十八部衆 #風神
二十八部衆に言及する経典は複数あって、メンバーの顔触れもまちまちらしい。密教大辞典は2通りの組み合わせを載せる。ここ塩船観音寺と同じよく知られた陣容と、千手観音造次第法儀軌という書物の掲げるものだ。
千手観音造次第法儀軌は複数の仏様を一括して1尊とカウントし、総数は28よりもずっと多い。
例えばナンダ龍王。弟のバツナンダ龍王ともども、難陀跋難陀と書かれているらしい。兄弟とも八大龍王のメンバー。
サンシ大将と満善車(まんぜんしゃ)王。それぞれ散脂大将弗羅婆、満善車鉢真陀羅という表記だそうだ。このうち真陀羅は薬師十二神将のシンダラ大将のこと。サンシ大将はビシャモン天の眷属・八大ヤシャ大将の1尊だ。密教大辞典は弗羅婆について、蓮華王院(京都市東山区)は満善車鉢について、同じく八大ヤシャ大将の満賢(まんけん)大将だとする。
神母天は鬼子母神のこと。千手観音造次第法儀軌では神母女等大力衆。密教大辞典によれば、大力衆はヒョウギャラ天など彼女の子供たちを指すと。
水化雷電神という名前も挙がる。密教大辞典には、そもそも風神・雷神を千手観音の眷属と解する理由は、二十八部衆のメンバーとして水化雷電神が挙げられていることだ、とある。


#観音寺 #塩船観音寺
ご本尊は千手観音。左右に眷属の二十八部衆も祀る。
#二十八部衆
二十八部衆のメンバーには独特な尊名が多いが、多くは親しみのある仏様の別名か、その関係者だ。
まず、功徳天は吉祥天、神母天は鬼子母神、マケイシュラ王は大自在天のこと。マケイシュラ王をそのまま大自在天と記載する寺院もあった。
東方天は持国天、ビルロクシャ天は増長天、ビルバクシャ天は広目天、ビシャモン天は多聞天のこと。四天王が全員、二十八部衆に加盟する格好だ。
コンピラ王は薬師十二神将のクビラ大将に同じ。讃岐のコンピラさまも、役行者がクビラ大将を祀ったことに端を発する。
バス仙はあまりなじみがないかもしれない。彼は吉祥天の兄と言われ、兄妹で千手観音の脇侍を務めることも多い。
サンシ大将は鬼子母神の夫で吉祥天の父。ビシャモン天の眷属・八大ヤシャ大将にも名を連ねる。
蓮華王院(京都市東山区)によれば、満善車(まんぜんしゃ)王も八大ヤシャ大将の1尊。八大ヤシャ大将としては満賢(まんけん)大将というと。
ナンダ龍王とサガラ龍王は八大龍王のメンバー。ナンダ龍王は長谷寺(奈良県桜井市)の十一面観音や、醍醐寺(京都市伏見区)のジュンテイ観音の脇侍。サガラ龍王はなぜか、浅草寺(東京都台東区)のお水舎に単独で祀られている。八大龍王の中でも特に観音さまと関係が深い2尊と言えそうだ。

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