⚫︎#伝える御首題 Episode27 『如説修行 功徳甚多』
妙法蓮華経陀羅尼品第26より
「説の如く修行せん 功徳甚だ多し」
伝える御首題を始める前まで、当山に御首題を求めてお越しになられた参拝者の方には、『如説修行 功徳甚多』もしくは『現世安穏 後生善処』と墨書押印していました。
拙寺だけでなく、日蓮宗系寺院、法華経を拠り所とする仏教寺院では、『如説修行 功徳甚多』と墨書して下さる和尚さんは、非常に多いのではないかと思います。
『如説修行』という言葉は、如来神力品第21、薬王菩薩本事品第23、そして陀羅尼品第26など、法華経の中でも随所に登場します。
そして、この修行がどういったものかについては、妙法蓮華経法師品第10で説き明かされており、法華経を実践していく修行者のあり方として、以下の5つが示されています。(以下、日蓮宗ポータルサイトより)
1、受持・・・法華経の教えを聞いて信受し、心に念じて忘れないこと。
2、読・・・経文に文字を見て読むこと
3、誦(ジュ)・・・経文の文字を見ず、暗唱すること
4、解説(ゲセツ)・・・経文の意義を理解して他者にも説くこと
5、書写・・・経文を書写して広く永く伝え弘めること
上記の如く5つが示されていますが、1の『受持』が最も大切なことであり、2以下は『受持』が大前提の行法です。
そして、これらの行法によって得られる功徳は、計り知れないぐらい大きいものであると説かれています。
ですので、
「修行がしたい!」
「功徳を積みたい!」
と思ったら、上記の行法を実践あれ!
ちなみに、日蓮聖人が御在世の頃、お寺に入って小僧として修行する際、まずどんなことをすると思いますか?
聞くところによると、ひたすら経典を書き写すそうです(書写)
そして、経典を暗唱できるように覚えるそうです(誦)
この話からも、五種の行法が重んじられていたのかなぁと、推測することができます。
今回の御首題は、五種の行法である『受持』・『読』・『誦』・『解説』・『書写』も墨書して、私なりに描いてみました。
ちゃんと修行をなさっておられるお坊さんかどうかを見極める判断材料として、この五種の行法を実践しておられるかどうかを見ると良いかもしれませんね〜
これらの行法は、いわゆる功徳を積むという事に繋がる修行です。
因果応報の摂理の通り、積まれた功徳を受け取るのは、功徳を積んだ本人です。
ですから、お坊さんが読経をしたり、写経をしたりして積まれた功徳というのは、自分自身が受け取るべき果報です。
仏教は元来、お釈迦様が自ら出家して悟ったことに端を発する宗教なので、個人的な宗教体験の枠を超えないのですが、時代の変遷とともに『自利』(個人の利益)の宗教から、慈悲を基本とした『利他』(他者の利益)が大切に考えられるようになり、俗に言う大乗仏教として発展していきました。
これによって、『回向(えこう)』という考え方も生まれてきます。
回向って聞いたことありますか?
お坊さんのお経参りのことを『回向参り』なんて言ったりしますが、一体何を『回して向ける』んでしょうか・・・
そこら辺の話は、伝える御首題Episode28にて。
『説の如く修行せん その功徳 甚だ多し』
宗教者としての側面と経営者としての側面の両立が叶うよう、励んで参りたいと思います🙏
※明日投稿予定のEpisode28をご覧頂ければ、『回向』についてもご説明していますので、もう少し理解が深まるかと思います。 どうぞ明日もご覧下さいませ🙏
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