普元寺の日常(29回目)|愛知県西尾駅
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投稿日:2020年03月30日(月)
落ちこぼれと言われ続けたT子さんの将来の夢
ある年の春休みのことです。中学校を卒業したばかりの仏教青年会会員と、お祝いの夕食会に出かけました。まだどことなくあどけなさが漂う乙女六人。中学の三年間、ほとんど休まずに毎月の例会にお寺へ通ってくれたメンバーです。
食事をしながら一人ひとりに将来の夢を語ってもらいました。
「私は警察官になりたいです」「私はファッション関係の仕事がいいな」「私は旅行会社の添乗員になって世界中を飛び回るの」――
皆、目を輝かせて話してくれました。ところが、一人T子さんだけが下を向いて黙っています。私が「言いたくなかったら言わなくてもいいよ」と伝えると、別の話題に移りました。
食事の後、ボーリングをして帰りが遅くなったので、遠くから来ている三人を車で送っていきました。
最後にT子さんが残りました。
食事の時のことが気にかかっていたので「T子さんは将来なりたいものはないの?」と再度尋ねてみると、少しためらいながら話してくれたのです。
「私は中学校の三年間、勉強ができなくて本当にできなくてとてもつらい思いをしました。学校の先生や友達から三年間、落ちこぼれと言われ続けたんです。そのことが本当に悲しかったので、将来は勉強のできない子どもの気持ちのわかってあげられる学校の先生になりたいんです。だけど私、なれるかな・・・」
思いがけない言葉になんと答えていいのかわからず、「T子さんは落ちこぼれなんかじゃないよ。かけがえのない仏の子だよ」と言うのが精一杯でした。
『阿弥陀経』の中に「青色青光(しょうしきしょうこう)・黄色黄光(おうしきおうこう)・赤色赤光(しゃくしきしゃっこう)・白色白光(びゃくしきびゃっこう)...」というお言葉があります。
阿弥陀さまのさとりの世界である極楽浄土では、青い蓮華の花は青い光を放ち、黄色は黄色、赤は赤、白は白と皆それぞれに光輝いて咲いているというのです。
きっと阿弥陀さまのおさとりのまなこでご覧になったら、人は人それぞれに、その人にしかない光をもって輝いているのでしょう。勉強のできる子も、できない子も、身体の強い子も、弱い子も、みな光り輝いた仏さまにならせていただくいのちです。
ダメないのちだとか、余分ないのちだとか、落ちこぼれのいのちなど一人もいないのでしょう。すべてのいのちが、かけがえのない仏の子なのです。
ある年の春休みのことです。中学校を卒業したばかりの仏教青年会会員と、お祝いの夕食会に出かけました。まだどことなくあどけなさが漂う乙女六人。中学の三年間、ほとんど休まずに毎月の例会にお寺へ通ってくれたメンバーです。
食事をしながら一人ひとりに将来の夢を語ってもらいました。
「私は警察官になりたいです」「私はファッション関係の仕事がいいな」「私は旅行会社の添乗員になって世界中を飛び回るの」――
皆、目を輝かせて話してくれました。ところが、一人T子さんだけが下を向いて黙っています。私が「言いたくなかったら言わなくてもいいよ」と伝えると、別の話題に移りました。
食事の後、ボーリングをして帰りが遅くなったので、遠くから来ている三人を車で送っていきました。
最後にT子さんが残りました。
食事の時のことが気にかかっていたので「T子さんは将来なりたいものはないの?」と再度尋ねてみると、少しためらいながら話してくれたのです。
「私は中学校の三年間、勉強ができなくて本当にできなくてとてもつらい思いをしました。学校の先生や友達から三年間、落ちこぼれと言われ続けたんです。そのことが本当に悲しかったので、将来は勉強のできない子どもの気持ちのわかってあげられる学校の先生になりたいんです。だけど私、なれるかな・・・」
思いがけない言葉になんと答えていいのかわからず、「T子さんは落ちこぼれなんかじゃないよ。かけがえのない仏の子だよ」と言うのが精一杯でした。
『阿弥陀経』の中に「青色青光(しょうしきしょうこう)・黄色黄光(おうしきおうこう)・赤色赤光(しゃくしきしゃっこう)・白色白光(びゃくしきびゃっこう)...」というお言葉があります。
阿弥陀さまのさとりの世界である極楽浄土では、青い蓮華の花は青い光を放ち、黄色は黄色、赤は赤、白は白と皆それぞれに光輝いて咲いているというのです。
きっと阿弥陀さまのおさとりのまなこでご覧になったら、人は人それぞれに、その人にしかない光をもって輝いているのでしょう。勉強のできる子も、できない子も、身体の強い子も、弱い子も、みな光り輝いた仏さまにならせていただくいのちです。
ダメないのちだとか、余分ないのちだとか、落ちこぼれのいのちなど一人もいないのでしょう。すべてのいのちが、かけがえのない仏の子なのです。
すてき
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住職さんも、ホトカミを通じてお参りされる方がいるんだなぁと、情報を発信しようという気持ちになりますし、
「ホトカミ見ました!」きっかけで豊かな会話が生まれたら、ホトカミ運営の私たちも嬉しいです。