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普元寺の日常(76回目)愛知県西尾駅

お彼岸に寄せて 「今も君を想う」

投稿日:2024年09月19日(木)
普元寺や 枝に六鳥 彼岸花

この俳句は普元寺にご縁のある森雅樹さんが普元寺俳句教室の際に披露してくださった句です。森さんは5年前に妻の美枝子さんを病気で亡くされました。享年55歳でした。一周忌には森家の納骨壇に美枝子さまのご遺骨を納骨されました。それ以来、ご命日には納骨堂にお参りに通われるようになりました。お参り後はきまって納骨堂のテラスの椅子に腰かけてゆっくりと過ごされます。テラスの目の前にはもみじの老木があり、その左奥には樹齢100年のクスノキが見えます。クスノキの太い枝にはフサフサとした草が生えていて羽毛のようでもあり、森さんは大きな枝全体が鳥のように見えたそうです。先の俳句にある六鳥(ろくちょう)とは極楽にいるという六種の鳥(迦陵頻伽・白鵠・孔雀・鸚鵡・舎利・共命鳥)のことです。一周忌の読経のあと、私は法話の中で以下のように、美しい声で鳴くという迦陵頻伽(かりょうびんが)についてお話ししました。

かつて、美空ひばりさんが52歳でお亡くなりになった時、多くの知人や友人が「まだ若いのに、まだ歌が歌える歳なのに早死にして惜しいことだ、もったいないことだ」そんなことをおっしゃいました。しかし、ひばりさんと親しかったという一人の年老いた俳優さんは、
「ひばりちゃんは早死にしたんじゃありません。彼女は彼女なりにあの子の人生を燃え尽きて全うしたんです。私はよく頑張ったねとほめてあげたい。彼女のことだから今頃は迦陵頻伽になって歌でも歌っているだろう、踊っているだろう。私も間もなくそちらへ往く日が来るでしょう。その時は迦陵頻伽になったひばりちゃんの歌が聞いてみたいです。ひばりちゃん、しばしのお別れです」
とコメントされました。

いくつで亡くなっても、どのような最後であっても、仏さまは、よくがんばったね、つらいことの多い人生を頑張って生きたねとほめてくださって、光の中にいだきとり安らかな世界に連れていってくださいます。極楽浄土まで連れて行ってくださいます。

そんなお話をしたことを森さんは覚えていらっしゃいました。それをお彼岸にお参りに来られた際に俳句にされたのです。

普元寺や 枝に六鳥 彼岸花

「今年も彼岸花が咲きました。君がいなくなってから五年目のお彼岸です。今も君を想う。君を想わない日はない。極楽にいる君を想ったら、目の前のクスノキが六鳥に見えてきた。ぼくに会いに来てくれたのかい」そんな森さんの故人に対する深い思いが伝わってきます。
人は生者だけでなく、先立った人と共に生きています。み仏の教えを聞かせていただいたものにとっては、仏さまに成られた故人に見守られて生きているのです。そのことを実感できる人生は豊かです。そんなことをあらためて教えてくれた森さんの俳句でした。

                               
今年の秋のお彼岸は、9月19日より9月25日までです。お寺参りができたらいいですね。                  
普元寺(愛知県)
納骨堂のテラスの椅子

すてき

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