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文殊菩薩とは?智慧の力で人々を救う仏様の起源や信仰、有名なお寺を徹底解説
※記事中に使用したイラストの無断転載を禁止します。
「文殊菩薩ってどんな仏様?」
「文殊菩薩が乗る獅子にはどんな意味がある?」
「文殊菩薩が有名なお寺を知りたい!」
全国8万ヶ寺以上のお寺を紹介する日本最大の神社お寺・御朱印の検索サイト「ホトカミ」編集部の高原です。
こんな仏像を見たことありませんか?
これは文殊菩薩(もんじゅぼさつ)という仏像です。
特に安倍文殊院の文殊菩薩像は国宝に指定されており有名です。
獅子に乗った姿が特徴的ですが、なぜそのような姿をしているのか不思議に思いませんか?
そこでこの記事では文殊菩薩が特徴的な姿をしている理由やどんな仏様なのかを紹介します。
文殊菩薩を知ることで、お寺への参拝がより深く楽しい体験になるはず。
ぜひ最後までお読みください。
目次
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文殊菩薩は獅子の上で剣を持ち、智慧の力で人々を救う仏様
文殊菩薩は智慧によって人々を救うとされています。
文殊菩薩は獅子に乗り、右手は剣です。
・獅子
・右手に剣
・左手に経巻(きょうかん):経典を書いた巻物
と覚えましょう。
「三人寄れば文殊の知恵」ということわざは、文殊菩薩が智慧を象徴する仏様であることに由来しています。
文殊菩薩が有名なお寺
安倍文殊院(奈良県)騎獅文殊菩薩像
安倍文殊院の騎獅文殊菩薩像(きしもんじゅぼさつぞう)1203年に仏師の快慶の手によって作られた国宝に指定される仏像です。
7mの高さを誇り、獅子に乗った姿の仏像の中では日本最大です。日本三文殊の一つです。
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智恩寺(京都府)文殊菩薩像
智恩寺の文殊菩薩は日本三文殊の一つとして知られています。
普段は秘仏ですが、年に数日間ご開帳されます。
ご開帳の日程は公式HPの年中行事からご確認ください。
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大聖寺(山形県)文殊菩薩像
大聖寺は亀岡文殊堂とも呼ばれ、上記2つのお寺とともに日本三文殊の一つです。
こちらの仏像も秘仏で12年に一度ご開帳されます。
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興福寺(奈良県)木造文殊菩薩坐像
興福寺の東金堂には国宝に指定された文殊菩薩が祀られています。
また、興福寺では4月25日に文殊菩薩を供養する文殊会という行事が開催されます。
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【仏教の発展とともに広まった】文殊菩薩の起源
文殊菩薩は智慧の力を象徴する仏様です。
サンスクリット語ではマンジュシュリー(Mañjuśrī)といい
・マンジュ=美しい・魅力のある
・シュリー=繁栄・栄光・王者
といった意味を持つ言葉を音写して文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と言われるようになりました。
文殊菩薩はインドで仏教が大きく発展したことに伴い、経典の中で成立したとされています。
その後、5世紀ごろには文殊菩薩への信仰が中国で流行し、
奈良時代には少しずつ日本にも伝来し始め、法隆寺では文殊菩薩の物語をもとにした像が作られました。
平安時代前期には文殊菩薩を祀り、人々を教化し、貧しい人々に施しを行う文殊会(もんじゅえ)と呼ばれる行事が行われるようになり、本格的に日本でも文殊菩薩が信仰されるようになりました。
【仏教の中でもトップレベルの智慧を持つ】文殊菩薩の信仰
前述の通り文殊菩薩は智慧の力を象徴する仏様です。
普賢菩薩(ふげんぼさつ)と共に釈迦如来の脇侍(きょうじ)として祀られる場合と単独で祀られる場合があります。
脇侍として祀られる場合は、普賢菩薩が釈迦如来の教えを実践する行(修行)を象徴するのに対して、文殊菩薩は釈迦如来の智慧の部分を象徴しています。
文殊菩薩が乗る獅子は智慧や強さの象徴とされており、
諸説はありますが、
・文殊の智慧があれば恐れはなくなるということを表す
・文殊菩薩を守っている
・獅子を手懐けるほどの文殊菩薩の智慧を表す
といった意味があるとされています。
さらに、手に持っている剣やお経を書いた経巻(きょうかん)も智慧を象徴する道具です。
文殊菩薩が智慧の象徴とされる理由はいくつかありますが、最も有名なのはお釈迦様の弟子である維摩居士(ゆいまこじ)とのエピソードです。
維摩居士(ゆいまこじ)は出家していないものの、すでに厳しく難しい修行を終え、大勢の人々を議論で打ち負かすほどの深い智慧を持っていました。
あるとき、維摩居士が病気になり、お釈迦様の命で文殊菩薩が見舞いに訪れます。
多くの人が維摩居士に敵わなかったなかで、文殊菩薩だけが対等に議論を交わしました。
このエピソードから、文殊菩薩は智慧の仏様として信仰されるようになったと言われています。
文殊菩薩は、深い智慧によって人々を救う仏様だということがわかりましたね。
終わりに
ここまで、文殊菩薩の見分け方や役割について解説してきました。
智慧の力で人々を救う「文殊菩薩」。
文殊菩薩が持つ智慧の深さと偉大さが特徴的な姿の仏像にも表れています。
仏像に込められた教えや物語を知ることで何気なく手を合わせていた仏像から、新たな学びや感動を得られるはずです。
ぜひ、この機会に仏像を見にお寺を参拝してみてはいかがでしょうか。
お寺に参拝した際には、ホトカミにも投稿してくださいね!
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神社お寺の検索サイト「ホトカミ」運営代表
吉田 亮
月間120万人の神社お寺ファンが使う神社お寺の検索サイト「ホトカミ」を運営する株式会社DO THE SAMURAI代表取締役。
東京大学理科II類入学後、文学部言語文化学科日本語日本文学(国語学)専修課程卒業。
2013年より日本文化や歴史を後世に繋ぐ事業を開始、2016年法人化。
これまで2000人以上の参拝者との対話や、累計1000万アクセスを超えるお参りに関する記事の執筆編集、100年後に神社を残すために社会と神社の接点を創出する。
ホトカミ編集部 御朱印記事ライター
高原 健太郎
日本文化や神社お寺が好きです。
独特の雰囲気に魅了されてから、寺社めぐりが趣味になりました。
イラストレーター
田中ひろみ
絵文人・仏像研究家(株)TERABIT代表、奈良市観光大使女子の仏教サークル「丸の内はんにゃ会」代表。
カルチャー センター講師。元ナース。テレビ出演、講演も多数。ART ・俳句・盆踊らー
著書 『イラストレーターが作った仏像ハンドブック』(ウェッジ) など約70冊
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