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普賢菩薩とは?慈悲と実践を象徴する仏様の起源や信仰、有名なお寺を徹底解説

最終更新:2025年03月17日(月) 14時27分42秒
公開:2025年03月17日(月)

※記事中に使用したイラストの無断転載を禁止します。

「普賢菩薩ってどんな仏様?」
「普賢菩薩が乗る象にはどんな意味がある?」
「普賢菩薩の有名なお寺を知りたい!」


全国8万ヶ寺以上のお寺を紹介する日本最大の神社お寺・御朱印の検索サイト「ホトカミ」編集部の高原です。

こんな仏像を見たことありませんか?

これは普賢菩薩(ふげんぼさつ)という仏像です。

特に、法隆寺金堂に描かれた普賢菩薩の壁画は、日本で初めて普賢菩薩が表現された作例として有名です。

白い象に乗った姿が特徴的ですが、なぜそのような姿をしているのか不思議に思いませんか?

そこで、この記事では普賢菩薩が特徴的な姿をしている理由やどんな姿なのかを紹介します。

普賢菩薩を知ることで、お寺への参拝がより楽しく深い体験になるはず。

ぜひ最後までお読みください。

    目次

  1. 普賢菩薩は白い象の上で合掌し、慈悲と実践を象徴する仏様
  2. 普賢菩薩が有名なお寺
  3. 【法華経と深い繋がりがある】普賢菩薩の起源
  4. 【実践を象徴し、慈悲により人々を救う】普賢菩薩の信仰
  5. 終わりに

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普賢菩薩は白い象の上で合掌し、慈悲と実践を象徴する仏様

普賢菩薩はさまざまな世界に現れ、深く思いやる心で人々を救うとされています。

見分け方ポイント

普賢菩薩は【白い象の上で合掌】しています。

・合掌
・6本の牙を持つ白い象
と覚えましょう。

普賢菩薩は釈迦如来の右側で祀られている場合と、単独で祀られる場合があります。
多くの場合、清浄(せいじょう)を表す白い象に乗った姿をしています。

真言は
「オン サンマヤ サトバン」
で、普賢菩薩を讃え祈願する際に唱えられます。

普賢菩薩が有名なお寺

岩船寺(京都府)普賢菩薩騎象像

平安時代中・後期に制作されたとされています。
空海の甥である智泉大徳が一度絵に描いたものを、当時の仏師が形にしたものとされています。
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普賢寺(三重県)普賢菩薩坐像

平安時代前期ごろに制作されたとされており、普賢菩薩の仏像としては日本最古の作例の一つとされています。
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法隆寺(奈良県)普賢菩薩像

法隆寺金堂の壁画には普賢菩薩が描かれており、絵画としては日本最古の作例の一つとされています。
7世紀後半から8世紀はじめごろに制作されたとされ、現在は非公開ですが、年に一回ほど限定公開されています。
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松尾寺(京都府)絹本著色普賢延命像

舞鶴市の松尾寺に保存されている普賢延命菩薩の絵画は国宝に指定されています。
平安時代に描かれたとされており、無数の小さな象に支えられた3つの頭を持った白象に乗り、2本の腕を持った姿で描かれています。
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持光寺(広島県)絹本著色普賢延命像

平安時代に描かれたとされており、国宝に指定されています。
松尾寺と異なり、こちらの絵画は4つの頭を持つ白象に乗り、20本の腕を持った姿で表現されています。
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大山寺(大分県)木造普賢延命菩薩坐像

大山寺の普賢延命菩薩は平安時代中期ごろに制作されたもので、現存する普賢延命菩薩の仏像の中では最古のものとされています。
※拝観するには前もって予約が必要です。
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【法華経と深い繋がりがある】普賢菩薩の起源

普賢菩薩は、慈悲と実践を象徴する仏様です。

サンスクリット語ではサマンタバドラ(Samantabhadra)といい、

・サマンタ=普(あまね)く
・バドラ=賢い
の2つを合わせて「普く場所に現れて慈悲によって人々を救う賢者」という意味があります。

詳しい起源は定かではありませんが、1〜3世紀ごろにインドで生まれ、中国で漢訳された「法華経(ほけきょう)」というお経の中で、法華経を信じるものを守る仏様として登場しました。

日本においては、飛鳥時代ごろに法華経が伝来し、8世紀ごろには護国三部経と呼ばれる重要な三つの経典の一つとして信仰されるようになりました。
さらに、天台宗において法華経が重要視されたことに伴い、普賢菩薩も広く信仰されるようになりました。

【実践を象徴し、慈悲により人々を救う】普賢菩薩の信仰

普賢菩薩は前述の通り、慈悲と実践を象徴する仏様です。

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)とともに釈迦如来の脇侍(きょうじ・わきじ)として祀られる場合と、単独で祀られる場合があります。

脇侍として祀られる場合は、文殊菩薩が釈迦如来の智慧の部分を象徴するのに対し、普賢菩薩は釈迦如来の教えを実践する行(修行)を象徴する仏様です。

基本的には6本の牙を持つ白い象に乗る姿が多いです。

この特徴はそれぞれ、
・象:実践する力
・白:清浄(せいじょう)
・6本の牙:悟りを得るための6つの修行である六波羅蜜(ろくはらみつ)
を表しています。

    六波羅蜜(ろくはらみつ)
  • 布施(ふせ):めぐみ施すこと
  • 持戒(じかい):戒めを守ること
  • 忍辱(にんにく):苦境を耐え忍ぶこと
  • 精進(しょうじん):修行に励むこと
  • 禅定(ぜんじょう):精神を鎮め保つこと
  • 般若(はんにゃ):悟りに目覚めること

また、密教では普賢菩薩が発展した姿として、普賢延命菩薩(ふげんえんめいぼさつ)という菩薩があります。
普賢延命菩薩は特に延命の功徳が強調された仏様で、複数の頭を持つ白象(宗派によって象の頭の数は異なる)に乗り、2本もしくは20本の腕を持つ姿で表現されます。

普賢菩薩は、姿や役割を変えながらも慈悲と実践の力によって私たちを救う仏様ということがわかりましたね。

終わりに

ここまで、普賢菩薩の見分け方や役割について解説してきました。

あらゆる場所に現れ人々を慈悲で救う「普賢菩薩」。
6本の牙が生えた白い象に乗った姿は、清浄や六波羅蜜といった、仏教の教えやその修行を表しています。

仏像に込められた教えや物語を知ることで何気なく手を合わせていた仏像から、新たな学びや感動を得られるはずです。

ぜひ、この機会に仏像を見にお寺を参拝してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

神社お寺の検索サイト「ホトカミ」運営代表

吉田 亮


月間120万人の神社お寺ファンが使う神社お寺の検索サイト「ホトカミ」を運営する株式会社DO THE SAMURAI代表取締役。
東京大学理科II類入学後、文学部言語文化学科日本語日本文学(国語学)専修課程卒業。
2013年より日本文化や歴史を後世に繋ぐ事業を開始、2016年法人化。
これまで2000人以上の参拝者との対話や、累計1000万アクセスを超えるお参りに関する記事の執筆編集、100年後に神社を残すために社会と神社の接点を創出する。
この記事の書き手

ホトカミ編集部 御朱印記事ライター

高原 健太郎


日本文化や神社お寺が好きです。
独特の雰囲気に魅了されてから、寺社めぐりが趣味になりました。
この記事のイラスト提供

イラストレーター

田中ひろみ


絵文人・仏像研究家(株)TERABIT代表、奈良市観光大使女子の仏教サークル「丸の内はんにゃ会」代表。
カルチャー センター講師。元ナース。テレビ出演、講演も多数。ART ・俳句・盆踊らー
著書 『イラストレーターが作った仏像ハンドブック』(ウェッジ) など約70冊

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