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なんいん|高野山真言宗

南院のお参りの記録一覧
和歌山県 高野山駅

宝珠 真範
2022年12月27日(火)
16投稿

*ブログの報告より部分抜粋

 25日(木)、翌日は朝から徳島港の南海フェリー乗り場へと走り、11:00発のフェリーで~和歌山港へ(13:05着)。向かった先は高野山です。本来であれば、四国遍路を結願してから高野山の奥之院へ報告参りをするものですが、私たちの場合は次回が殆ど難しいことなので、これが最初で最後となる可能性を考慮し、今回、初めて四国遍路を体験できたことの感謝とそのご報告のために高野山へ立ち寄ることにしたのです。

 高野山には夕方に到着、宿泊先は前回6年前の高野山参りでは満室で部屋のとれなかった『南院』の宿坊です。この南院に宿泊するのはかねてからの憧れで、今回はコロナ禍で海外からの参拝者がいなかったことにより空いていたのです。前回の更新でも少し触れたとおり、ここの本尊である不動尊こそが唐からの帰途、嵐に襲われた空海を救って下さったという伝説の不動明王像なのです。空海の祈りに応えて出現された大きな不動尊が利剣で波を切り裂く動作を繰り返して荒波を鎮めたとされています。これが恵果阿闍梨、直々に開眼祈祷された霊験あらたかな不動明王さまで『波切不動尊』と呼ばれているものです(後代の藤原時代の作とする説もありますが、私は唐で制作されて恵果阿闍梨が開眼した尊像を空海が持ち帰ったものとみています。一般的な空海作の伝には否定的な私ですが、波切不動の奇跡談は実話であると信じます)。

 この波切不動尊のその後の不思議な逸話としては、波切不動尊が高野山に来る以前は国家安泰のために『熱田神宮』にて祀られていたのでしたが、この不動尊を護っていた十二坊(12人の僧侶)の一人がある日から、「わたしは高野山にいってもっと大勢の法楽(経の読誦等々)を受けたい」というこの不動尊からのお告げの夢を見るようになりました。この素晴らしい不動尊から離れたくない想いだったこの僧は、そのことをただ一人で黙っていたところ、更に、「わたしがここからいなくなっても寂しい想いをすることはない。ここにわたしの剣を(わたしの代わりとして)残して、この神社を護るから」という不思議な夢を繰り返し何度も見るようになったのです。僧は、これはもうただの偶然などではないと思い直して、その夢のことを他の仲間の僧たちに打ち明けたところ、なんと実は12人全員がまったく同じ夢を見ていたということがわかったのです。
 それで当時の御三条天皇にそのことを申し上げたところ、この不動尊のお告げを信じられた天皇の指示により、熱田神宮には不動尊の古い利剣がそのまま残されて祀られ、不動尊には新しい剣(竹から作った古式の剣)を携えて高野山にて祀られることとなったのです(熱田神宮には、このときの不動尊の利剣が今でも大切に祀られています)。
 詳細は不明ですが、最初はこの高野山の『山王院』にて祀られていたのですが、この波切不動尊をこの目で見ようと多くの僧侶たちが集まった大きな法要があり、南院の住職で当時の高野山で最も偉い僧侶であった維範を招いた修法の最中。大勢の参拝者たちの見守る中で突然、この波切不動尊がゴトゴトと揺れ出した。ところが維範はまったく動じることなく、「お不動さんの名に似ず、どうしてそんなに動揺されるのか?」といって、洒水の散杖にて不動尊の頭をピシャリと押さえつけたという。これではとても他の僧侶の手には負えないものと判断され、最終的にはそのまま維範の南院にて祀られることとなったらしいということ。噂によれば、以来~数々の国内の動乱を鎮めてこられたともされています(真相は不明ですが、将門の乱を鎮めた本命の不動尊であるとの説も...)。

 念願叶って、早朝勤行の参加でこの有難い波切不動尊の御前にて座すことができたことは、とにかく格別の有難さでした。ただ秘仏にてその御姿を拝することはできませんでした。不動尊寺院の大祭は毎年6月28日とするところが多く、ここ南院ではその日が年に一度の御開帳の日となっています(毎月28日は不動尊の御縁日となっています)。
 時期的に標高の高い高野山は非常に寒く、厳寒の地である北海道にて暮らす私たちですらも震え上がりました。風呂場は総檜ヒノキの湯船で浴室も広くて清潔感いっぱいの素晴らしいものでした。以前までは、高野槇の湯船だったそうですが、古くなって痛みが激しくて交換されたとのこと。食事を頂いた部屋は堀こたつで脚が楽でポカポカと暖かで、精進料理も綺麗で美味しく頂けました。すべてのお世話をして下さった若い僧侶の方がとても朗らかで親切な対応でした---感謝。
 ただ一つだけ贅沢なことをいうと、まったく新しく創られた別館が宿坊というのは確かに綺麗この上ないのですが、高野山の千年~1200年といった重みのある歴史を自分の肌で感じるには古いそのままがいいかな~というのが、私個人の正直な感想です(それでも宿坊のスペースがなければ新しく創らざるえませんけれど)。それが前回、西室院(こちらは大師の手彫とされる稚児不動尊を完全非公開の秘仏としている)の宿坊だったのと比較して強く感じたことでした。翌朝、宿を出る際に頂いてきたのは、南院特製の素敵な護摩札です。

  ブログ---宝珠diary
   『Occultist による仏教論考 etc.』
      
https://houju-isis.fc2.net/blog-entry-13.html

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