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続いて、金王八幡宮へお参りしました。
学生時代には金王坂を散々通っていたのですが、すぐ近くにこんな神社があることを当時は知りませんでした。何度も通った場所なのに、ずいぶん時間が経ってから初めてお参りすることになりました。
金王八幡宮は寛治6年(1092年)に創建されたと伝えられ、応神天皇をお祀りしています。
この地は「渋谷」という地名とも深い関係があります。平安時代末期、この一帯を治めた渋谷氏は金王八幡宮を中心として館を構え、後に渋谷城と呼ばれるようになりました。神社は渋谷氏の氏神として崇敬され、現在も境内には渋谷城の砦に使われた石が残されています。
「金王」の名は、渋谷氏の武将であった渋谷金王丸常光に由来します。金王丸は源義朝に仕えて保元の乱などで活躍し、義朝の死後は出家してその御霊を弔ったと伝えられています。義朝の子である源頼朝とも深い関係があり、頼朝が挙兵した際には、金王丸が密かにこの八幡宮へ参籠して平家追討を祈願したとされています。
境内には金王丸をお祀りする金王丸社(金王丸御影堂)もあります。ここには金王丸が17歳で保元の乱へ出陣する際、自らの姿を彫って母に残したと伝わる木像が納められており、現在は毎年3月の金王丸祭で特別に公開されています。
頼朝は父・義朝に仕えた金王丸の忠節を大切にしていました。文治5年(1189年)、奥州藤原氏を討つために東北へ向かう途中でこの地を訪れ、金王丸御影堂へ参拝したと伝えられています。その際、金王丸の名を後世に残すよう命じ、鎌倉の亀ヶ谷にあった桜を移植させました。それが現在まで受け継がれている「金王桜」で、一枝に一重と八重の花が入り混じって咲く珍しい桜として、渋谷区の天然記念物にも指定されています。
現在の社殿は江戸時代初期の慶長17年(1612年)に、青山忠俊と春日局によって造営されたものです。江戸初期の建築様式を現在に伝える貴重な社殿として、渋谷区の有形文化財にも指定されています。
それにしても、渋谷駅からそれほど離れていない場所に、こんなに落ち着いた空間が残っていることに驚きました。周囲はよく知っている渋谷の街なのに、境内へ入ると雰囲気がずいぶん変わります。この日も参拝する人はぼちぼち多く、境内には人の姿が絶えませんでした。
ちょうど例大祭の時期だったためか、この日の御朱印は書き置きのみでの授与だったようです。境内には御嶽神社や金王丸社などもありますが、そちらの御朱印や渋谷城の御城印については見当たりませんでした。
学生時代に何度となく金王坂を通っていたことを思うと、こんな由緒のある神社と渋谷城跡がすぐそばにあったことを今になって知ったのも面白いものです。賑やかな渋谷の街中にありながら、長い歴史を感じながら落ち着いてお参りすることができました。
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