つつみいなりじんじゃ
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東京都練馬区西大泉に鎮座する堤稲荷神社。最寄り駅は西武池袋線の大泉学園駅、もしくは保谷駅で、いずれからも徒歩およそ30分ほどの距離にあります。駅からは少し離れているため、訪れる人の多くは地元の方々や、信心深い参拝者に限られるのではないでしょうか。境内のすぐ横には、練馬区を東西に貫く幹線道路「清戸道」が走っており、車の往来が絶えません。そうした喧騒のそばにありながらも、広々とした境内を静かに構えるのが堤稲荷神社です。
境内に足を踏み入れると、まず印象的なのはその空間の「余白」です。立派な社殿が中央にぽつりと建ち、鳥居から社殿へと続く石畳が参道として整えられています。社殿手前には石灯籠とお狐さまが並び、古びた礎石と見比べると、それらの新しさが際立ちます。遊具などはなく、子どもたちが遊び場として駆け回るような雰囲気ではありません。むしろ、時間がゆっくりと流れているかのような静寂の場。風が吹くたびに木の葉がさわさわと揺れ、社殿の鈴の緒がかすかに音を立てる――そんな穏やかな時間が境内を包み込んでいます。
由緒書によれば、創建は江戸時代にさかのぼると伝えられています。「堤稲荷」という社号は、このあたりがかつて「堤村」と呼ばれていたことに由来するそうです。古くからこの地を見守り、地域の五穀豊穣や家内安全を祈る神として篤く信仰されてきたことがうかがえます。御祭神は宇賀之御魂命。稲荷信仰の中心的な神であり、食物の恵みや豊穣を象徴する存在です。
また、境内には御嶽神社の小祠が鎮座しています。祠の上には木々がうっそうと枝を広げており、その影が祠全体を包み込むように落ちています。興味深いことに、この御嶽神社の前には、稲荷神社でよく目にする朱色の幟が立てられており、少し珍しい取り合わせといえるでしょう。新旧の建物が共存する境内には、地域の人々の素朴な信仰心が今なお息づいていることを感じます。
どこかに昔日の村の空気を残す堤稲荷神社。清戸道の車の音を背に境内を後にする時、頬を撫でる風が、まるでこの地を静かに見守り続けてきた神々の息吹のようにも思われました。









新座観音から、ひたすらに大泉学園に向かうと右側に、
交差点と交差点に挟まれた敷地にあります。
参道の、狛狐さんが新しくて白いのが印象的。
私の前に、目の不自由なご老人が、お孫さんの道案内で
お参りされていました【少し、ほっこり…】。

正面の鳥居です。

石標です

由緒

参道と、拝殿

右の狛狐さん

左の狛狐さん

改めて、拝殿
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