王子神社のお参りの記録(1回目)
東京都王子駅

「フフッ、相変わらず青いな、君は！
関係、大ありだよ！」

「また、出ましたか。いつも言いますけど、その【青い】って何なんですか？」

「何も解って無いって事だよ！」

「えっ、だって、神社とコンビニでコーヒーこぼしたのと、どう関係あるんですか？」

「フフッ、君は、その後の店員の対応を見てなかったのか？フフッ」

「ああ、そういえば、やけに爽やかに片付けてくれてましたね」

「そうだろう！何故だと思う？」

「え？何故と言われても...
仕事だからですか？」

「青いよ！正解は、こちらの王子神社の爽やかなエネルギーが、この辺り一帯に満ちてるからだよ！」

「あ、はあ..やけに気合い入ってらっしゃいますね..
じゃあ、早速、お邪魔しましょうか」

「失礼します！」「失礼致します」

「ほお...ジャギーさんの言う通り、良い気が満ちてる感じがしますね！」

「そうだろう！」

「じゃあ、手水舎で浄めましょう」

「そうだな！」

「そして、鳥居君。さっきのコーヒーこぼした後の俺の謝罪も見ただろう！」

「えっ？あぁ..キチンと頭を下げて、謝ってましたね」

「そうだろう！あの、『すみませんでした！』って、頭を下げた時の体の角度を見たか？きっちり90度に曲がってただろう！」

「いや、別に自慢することじゃないと思うんですけど..」

「あれは、この王子神社の爽やかなエネルギーを感じて、あそこまでの謝罪に繋がったんだぜ！」

「はぁ..そうなんですか..コンビニでコーヒーこぼしたら、普通、謝ると思うんですけど..
でも、確かに気持ちの良い神社ですよね」

「そうだろう。こちらに来ると、妙に気分が良くなるんだよ」

「じゃあ、ご挨拶しましょうか」

「そうだな！」

「お邪魔しております。宜しくお願い致します！」

「宜しくお願い致します！」

「いや、ジャギーさんの言う通り、何か、良いエネルギーを感じますね」

「そうだろう！」

「じゃあ、ジャギーさん。隅に鎮座してる、あちらにも、ご挨拶しましょうか」

「そうだな！」

「関神社ですか...
へえ..髪の毛の神様なんだ..珍しいのかな？」

「珍しいんじゃないか..
もしかしたら、こちらには大物芸能人が、お忍びでお参りしてるかもしれないな」


「えっ........」


「たとえば..」

「ちょ、ちょ、ちょっと、ジャギーさん！そ、それ、今、言う必要ありますか！」

「えっ、何で？芸能人がお参りに来るって凄い事じゃないか！」

「いや、お忍びで来るって事は、見られたくないって事じゃないですか！」

「えっ、まあ、それは芸能人だからな..プライベートは邪魔されたくないだろうな」

「いや、そういう事じゃないですよ！」

「多分、あの人なんか、来てそうだよな..」

「ちょっと！ジャギーさん！それ、言ったところで誰も特しませんよ！」

「何なんだ、君は、さっきから...
ほら、あの番組に出てた、あの人！名前、何だっけ？」

「思い出さなくていいですから！余計な事言ったら、『ホトカミ』の運営の方達にもご迷惑がかかるかもしれないんですよ！」

「よく解らないなぁ..
さっきから、君は何をそんなに熱くなってるんだ？」

「もう、いいですから！お参りして帰りましょう！」

「..あぁ...しょうがないな..」

..............

「本日はお参りさせて頂きまして、有難うございます！」

「有難うございます」

...............

「じゃあ、ジャギーさん。大人しく帰りましょう！...
えっ、あれっ？山下さん、どうしたんですか？なんで、ここにいるんですか？」


「な、な、な、なんや、アンタら！
な、な、なんでおるんや！
あっ、着信や！もしもし？どないしたんや！なにぃ！それは、大変やな！すぐ行くわ！...じゃあ、お二人さん、お先やで！」




「えっ....
なんで、山下さんがいたんだ？」

「いや、ちょっと、解りませんけど..」

【つづく】

『ナンダ、アイツラハ...』
撮影/世界の巨匠.ミックジャギー