もう２０年以上が過ぎました

突然のお別れは印象に残るものです。

２０年以上前に成人したばかりの方が突然のお別れがありました。
葬儀は先代住職が執り行ったのですが、初七日はどうしても都合がつかないとのことで私が代理を勤めました。

私もまだ２０代だったのですが、僧侶としてご遺族の前に座っている以上「何かお悔やみを言わなければ」と考えていました。

初七日の読経が終わり、ご遺族の方へ向き直った瞬間に私は言葉を失ってしまいました。私とあまり年の変わらない息子を亡くしたご遺族にかける言葉が思い浮かばなかったのです。

私は黙って頭を１つ下げて帰ってきたことを思い出しました。何もできなかったことで、私の存在意義を見出せませんでした。

あれから２０年以上が過ぎました。故人の供養をさせてもらいながら、ご遺族の中ではまだ彼は生きているのだと実感しました。


いつまでも彼の思いが生き続けますように。

合掌

仏教の知恵で心豊かに過ごせますよう祈念しております。