あたごじんじゃ
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父が直した鳥居。
田舎の神社は特にそうかもしれませんが、近所で持ち回りで神社の総代をやります。
原馬室(はらまむろ)の愛宕神社もご多分に漏れず、父も3年間総代に。そのとき、誰も直そうとしてなかった鳥居を直したり、総代の仕事を表にまとめたり、新聞を発行したりと、神社の活動に尽力して「XXさんが総代のときは本当によくやってくれてよかった」と言われたと聞いていたので、ああ、これはホトカミで自慢しなければいけないなと聞いてみました。
「お父さん鳥居直したって言ってたじゃん?あれ、お父さんが直すまで誰も直さなかったってどういうこと?」
「ああ、あれはボロボロになってて、みんなが困ったー、困ったーって言ってたんだよ。だけど誰も直そうとしてなかった」
「お父さんが上って直したの?」
「業者がやったんだよ」
「いくらかかったの?」
「お父さんもいろいろやったし、10万くらいだった」
「お金集めるところからやったの?」
「お金もあったんだよ。でもみんなやろうとしなかったんだよ」
「で業者探すところからしたんだ?」
「そう」
ふーん、全容がわかりました。
前も書きましたが、昨年で第445回という伝統ある祈祷獅子舞も行われる神社です。
「XXさんが総代のときは本当によくやってくれてよかった」と言われた父が、ちょっぴり誇らしくなりました。
昭和57年7月吉日という写真を撮っていたら、紙垂が1枚だけパタパタ。
娘だと知って合図してくれたんでしょうかね😄
写真にとっちゃいました。
父と母がした仕事。
父と母に昨日の愛宕神社の投稿を見せたら、やっぱり写真の力はすごくて、いろんなことを思い出してました。
「手摺あったろ、写真にあるかな」
「ああ、これね」
「これはおばあさんが、毎朝はって階段上がってたからつけたんだよ。みんなには崩れたら問題になるからと反対されたんだけど、崩れない丈夫なやつを作るといってつけたんだよ。それと額があったろ」
「あ、これね」
「これもお父さんが塗ったんだ」
「へええ、梯子かけて?」
「まさか、下ろしてもらって下でだよ。
あと鈴あったろ」
「あれもお父さんが買ったんだ。あと紐も汚くて、ネットで調べて鈴緒って名前を知って、これは寄付したんだ。ねえ、お母さん」
「そう、一番上に名前を書いた布を縫いつけたよね」
「Kさんっていう大工さんと2人でやったんだ」
「え、大工さんは仕事で来たの?」
「Kさんも総代だよ」
「え、総代って何人もいるの?」
「総代は6、7人いるんだよ」
「お父さんも総代の1人だったの?」
「そうだよな、お母さん」
「違うよ、お父さんは総代長だったんだよ」
「ふーん」
「Kさんは大人しい人でね。あまりしゃべらない人だった。でもよくやってくれたね、お母さん」
「うん」
「でも鈴緒、色汚くなってきちゃったな。あと塗れ縁みたいのがあったろ」
「これもお母さんときれいに拭いて色を塗ったんだよ。そう考えたら、お母さんも行って随分やったね」
「お父さん、力石も掘り起こして磨いてきれいにしたでしょ?」
「あんだけ揃ってる神社めずらしいよ。でも昔の人はあれを持上げたんだからすごい。こっちは起こすので精一杯だった。持上げた人の名前が力石に書いてあるんだよ。あとおみくじ結ぶのもつくったんだよ」
「ああ、ここの斜めの木のした辺りに写ってるやつね」
いくつかおみくじが結んであって、なんでこんなところにあるんだろうって思ってたよ…
「まだ全部ちゃんとあるね、お母さん」
「だから神社よくやったって、まわりで大騒ぎだったんだよ」
「そう、だからWさんにも良くやったっていわれたんだろうな。神社の環境を次から次に直したからね」
「お父さん、お祭りのとき、うどん打って売ったじゃない?」
「え、商売したの?」
「神社の儲けだよ。あのときは氏子じゃない人も買いにきたね」
「うどんの端の広いやつは当たりなのに、残すひとがいたね」
「お母さんがお汁作って」
「何食分打ったの?」
「何食か忘れたけど、随分打った。E君のお父さんが庭で茹でてくれたんだよね」
「お母さんのお汁が好評で、途中でなくなって慌ててまた作って車で持っていったね」
「ああ、マイク設備もやったね。お父さん、電気設備士の資格持ってるからできたからね」
あー、だから古い神社なのにあんなにきれいだったんだ。
そして父と母と、そのとき総代だった人たちがきれいにした神社を、きれいに保ってくれている人がいる。
神社って本当に地域の歴史なんだなと思えた茶飲み話でした。
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