常住寺

岡山県 東山駅

常住寺はもと津高郡江与味村（現加賀郡吉備中央町粟井谷、杉谷および久米郡美咲町江与味）に寺地だけ残っていた円城寺末の玉泉寺を、岡山城下内山下石山に再興して岡山藩主池田家の祈祷所としたものです。宝永四年（1707）9月10日東叡山寛永寺の直末に列しました。同年10月27日に伽藍の再建に着手、同5年3月3日完成して入仏式を行い、現存している本堂はこのときのものです。廃藩後の明治5年に上石井にあった興国山長延寺に合併して同所に移り、長延寺の寺号を廃して常住寺と称しました。その後和気郡藤野村南光院に合併移転、ついで大正8年2月22日現在の地に移ります。本堂は三間に三間の入母屋造本瓦葺とした堂で東面しており、大棟の両端に菊の紋章のある鬼瓦を飾り、斗拱間の中備に鶴・亀などの彫刻を入れた蟇股を用い、正面中央の蟇股には池田家の裏紋とよばれる竜胆の彫刻を入れています。
天台宗の高僧葉上照澄大阿闇梨も住職を務められた寺院ですが、長年風雨に晒され荒廃したこの名刹を甦らせるべく、復興プロジェクトが現在進行しております。