しょうりんじ|臨済宗東福寺派|梅室羅山
勝林寺のお参りの記録一覧(8ページ目)
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。過去に何度か白傘蓋仏頂の御朱印を頒布しているが、お堂や境内では彼女の像などを見ない。祀っていない気がする。
#白傘蓋仏頂 #白傘蓋仏母
梵語でシタータパトラ。真言は「ノウマク サマンダ・ボダナン ラン シタタハタラ ウシニシャ ソワカ」、種子はドロンやラン。五仏頂の1尊。胎蔵マンダラの心臓部をなす中台八葉院の上の上、釈迦院というブロックの、向かってやや左側にいる。
密教大辞典によれば、彼女の出てくる同じ経典を別々の人が漢訳した際、一方は白傘蓋仏頂と、他方は白傘蓋仏母と表記した。ゆえに両者は同一の仏様であろう、と。
曼荼羅図典によると、インドには王侯貴族の後ろから従者が日傘を差しかける礼法がある。白傘蓋仏頂は真っ白な傘を衆生の上に広げ、清浄な心をもって彼らを守ることを誓願としている、と。
写真の御朱印に描かれた銀髪ツインテール、そういった情報を的確に萌え要素に変換しているなと僕はたいへん感動した。
印刷されている呪文はリョウゴン呪という非常に長いダラニの最後の部分で、八句ダラニという。リョウゴン呪のエッセンスともいえ、ここだけ唱えることもあると。
真言陀羅尼という書籍によれば、リョウゴン呪の別名に悉怛他鉢怛羅(しったたはたら)という文字列が含まれ、これがシタータパトラの音写にあたる。
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。
#毘沙門天
上杉謙信にとっては涙目だが、ビシャモン天は本来、軍神ではなく財神。宝石の眠る地下世界の主で、信者に富を分け与えてくれる太っ腹な神様だ。
インドやチベットでは、現在もそちらのイメージの方が強いらしい。そもそも彼に限らず四天王は全員、元はきらびやかな服装をしていたそうだ。甲冑などで武装し始めたのは、中国に来てからだとか。
さらにさかのぼれば、クベーラはかつてガネーシャと同様、人々から恐れられる存在だった。インド神話伝説辞典によれば、ヴェーダではヤクシャやラークシャサといった邪悪な生き物たちの親玉として言及されるらしい。
現在の神話だと、種族としてはヤクシャに属していたが、根がマジメで善良だったためシヴァからの引き立てがあり、神々の仲間入りを果たした、などと言われる。そのシヴァが日本では同じ七福神の一員として同僚にあたる、大黒天だったりする。
なお、ヤクシャはヤシャ、ラークシャサはラセツのこと。日本ではどちらもビシャモン天の眷属とされる。
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。脇侍に吉祥天とゼンニシ童子。
#吉祥天
ラーマーヤナのヒロイン、シーターはラクシュミーの化身と言われる。ラセツと関係を持ったのではと夫ラーマに疑いをかけられるも、火に飛び込んでも自身が焼かれないことを以て潔白を証明する。
日本のサクヤヒメの命を連想させる神話だ。
ところで、サクヤヒメの命にはイワナガヒメの命という姉がいる。それぞれ繫栄と永遠を体現する女神。京都市だと、姉は貴船神社(左京区)結社と大将軍神社(北区)で、妹は梅宮大社(右京区)で祀られている。
日本書紀によれば、姉妹は揃ってニニギの尊に嫁ぐも、醜いことを理由にイワナガヒメの命だけ送り返され、彼女は全人類に死すべき定めを課した。
吉祥天にも黒闇天という妹がいる。悟東あすかさんによれば、吉祥天が幸運の女神であるのに対し、黒闇天が司るのは不吉や災い。顔かたちも、絶世の美女として知られる吉祥天とは対照的らしい。ただ姉妹の仲は良く、常に一緒にいると。曼荼羅図典や梵和大辞典には、黒闇天は人が死ぬ夜を司る女神とある。
繁栄を約束する美人の女神と、死を運んでくる不美人の女神からなる姉妹。どちらが姉でどちらが妹かは逆だが、吉祥天と黒闇天のペアと、サクヤヒメの命とイワナガヒメの命のペアはよく似ている。習合したという話は全く聞かないが。
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。脇侍に吉祥天とゼンニシ童子。
#黒闇天 #黒闇天女 #焔魔后
梵語でカーララートリー。真言は「ノウマク サマンダ・ボダナン カララタリエイ ソワカ」、種子はキャ。胎蔵マンダラの外周を四角く取り巻く最外院(さいげいん)のうち、向かって右の辺の中央付近にいる。
吉祥天の妹。悟東あすかさんによれば、姉妹は非常に仲良しで常に一緒にいると。写真の御朱印に同行姉妹と印字されているが、私見ながらこのことを言っているのだと思う。
シャモンダ、ヤマ女と同じくエンマ王の妃で、彼女らを総称してエンマ王三后という。またエンマ王の眷属でもあり、ダキニ天や泰山府君らと共にエンマ八眷属の1尊。この場合はエンマ后と呼ぶ。
曼荼羅図典によれば、闇夜に惑う衆生を保護してくれると大日経疏という書物に書いてあるそうだ。仏像知識事典も、闇夜に潜む鬼などの類から衆生を守るという。
一方、密教の聖なる呪文という書籍には、吉祥天ばかりを拝むと黒闇天が嫉妬して妨害してくるので、吉祥天を祀る際は黒闇天の修法をおこなって彼女の機嫌をとっておく必要があると。
カーララートリーを梵和大辞典で引くと、人が死ぬ夜、および世界が破滅する恐怖の夜とある。またそれらの人格化としての女神ドゥルガーの異名とも記す。曼荼羅図典にも全く同じことが書いてある。
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。ビシャモン天マンダラを所蔵し、これにビシャモン五太子が描かれている。最勝(さいしょう)太子は五太子の1尊。
#最勝太子 #珊逝耶
梵語でサンジャヤ。密教大辞典によれば、孔雀経という経典ではこれを音訳して珊逝耶と呼ばれていると。梵和大辞典でサンジャヤを引くと、勝利という意味だとある。
真言は「オン ビシュダ ハタマ シンタマニ カギャ ソワカ」。真言陀羅尼の解説という書籍は「オン ナダ クバラ ソワカ」とするが、密教大辞典によれば、これはナタ太子の真言だろう、と。最勝太子とナタ太子を同一視する立場もあるそうだ。
種子はラなど。
マハーバーラタに、サンジャヤという登場人物がいる。ドリタラーシュトラという人間の王に仕える大臣で、彼のチャリオットを操縦する御者。
そのドリタラーシュトラだが、これは持国天の梵語の名前でもある。持国天はそう、最勝太子の父・ビシャモン天と同じ四天王の一員だ。曼荼羅図典によれば、マハーバーラタのドリタラーシュトラは持国天が地上に降ろした化身だと。
サンジャヤについても同様であると、書いた本は見たことがない。ただ、ビシャモン天が信頼できる同僚のところへ、長男を武者修行にでも行かせていると想像すると楽しい。
なお、梵和大辞典はサンジャヤはサンシ大将のことだとする。この点は密教大辞典と異なる。
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。ビシャモン天マンダラを所蔵し、これにビシャモン五太子が描かれている。独健(どくこん)太子は五太子の1尊。
#独健太子
ここ勝林寺に伝わるビシャモン五太子のメンバーは、最勝(さいしょう)太子、独健太子、ナタ太子、常見(じょうけん)太子、ゼンニシ童子の5尊。だが日本の密教カードというオラクルカードの解説書は、甘露(かんろ)童子、クバラ童子、ナタ童子、独健童子、ゼンニシ童子とする。
密教大辞典によれば、書物によって尊名や出生順はバラバラで、勝林寺は尊容鈔に、日本の密教カードは秘鈔問答に基づく。密教大辞典は全部で4通りもの説を紹介し、その中には上述したものに加え、光明童子という名も見える。別名の可能性もあるとは思うが、単純に名前だけ数えれば最勝、独健、ナタ、常見、ゼンニシ、甘露、クバラ、光明の8種類が挙がったことになる。
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。ビシャモン天マンダラを所蔵し、これにビシャモン五太子が描かれている。ナタ太子は五太子の1尊。
#哪吒太子 #那羅鳩婆羅
梵語でナラクヴァラ。インド神話伝説辞典に、ナラクーヴァラに関する記述ならある。日本のビシャモン天に相当するクベーラの子。またアプサラスという種族に属するラムバーと結婚したと。
クベーラの異母兄弟にあたるラセツの王、ラーヴァナがラムバーを手込めにすると、ナラクーヴァラは激しく怒り、ラーヴァナを「次に同じことやったら頭バクハツして7つに裂けて吹き飛びやがれ!!」と呪ったらしい。
ここで思い出されるのが、十ラセツ女のランバ。法華経の中で、十ラセツ女と鬼子母神は「法華経を説法する人を困らせるような奴は、頭ぶち割って破片が7つに飛び散るような目に遭わせてあげる」と言っている。
ナタ太子の母が吉祥天で、その母が鬼子母神。よってランバたち十ラセツ女は、ナタ太子にとって祖母の同僚にあたる。「頭が7つに砕ける」という独特の言い回しと、ビシャモン天の縁者が関与している点が共通だ。
ただし、十ラセツ女のランバはLから始まり、一方アプサラスのラムバーはR。またバの発音も、英語やドイツ語の強烈にはじけるpと、フランス語やスペイン語の大人しめのpくらい違うらしい。
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。ビシャモン天マンダラを所蔵し、これにビシャモン五太子が描かれている。常見(じょうけん)太子は五太子の1尊。
#常見太子
常見太子らビシャモン五太子のうち、寺院で会える機会が最も多いのはゼンニシ童子だ。
だが世間的にはナタ太子の方が断然、有名だと思う。なぜなら彼は、少年ジャンプで準主役を演じたこともあるからだ。
中国に封神演義という小説がある。西遊記や水滸伝と同じ明の時代の成立で、仙人らがマジックアイテムを駆使して乱闘するという内容。僕に言わせれば、異能バトルものの先駆け。
ナタは李靖という武将の子供として登場する。李靖がビシャモン天と同一視され、その縁で彼も盛んに信仰されたそうだ。中壇元帥(ちゅうだんげんすい)と呼ばれ、もはや中国固有の神様となっているらしい。
封神演義の登場人物は水滸伝に負けず劣らず多いのだが、その中で彼の活躍度は全キャラ中でも3本の指に入る。
封神演義のコミカライズが、ジャンプで長期連載された。つい数年前、本場中国でも実写映画化されたようだ。ナタももちろん、両作品で暴れ回る。
なお、封神演義と比べかなり大人しくなってはいるが、ナタは西遊記にも登場する。水滸伝には出てこないが、彼の名前を二つ名とするキャラならいる。
#勝林寺 #毘沙門堂
ご本尊はビシャモン天。脇侍に吉祥天とゼンニシ童子。
#善膩師童子 #赦儞娑
梵語でジャネーシャ。真言は「オン ゼンニシエイ ソワカ」、種子はキャ。ビシャモン三尊の1尊で、ビシャモン天の左脇侍。
有名な日本の神様カードと同じ出版元から、10年以上遅れて日本の密教カードが出た。基本的にアミダ如来や不動明王など、親しみのある仏様のカードが多いのだが、密かにゼンニシ童子もデッキに入っている。その解説書によると、可愛らしい童子の姿の他にシャニシャという鬼神の姿も持ち、彼がほぼ常に父ビシャモン天と共に祀られる理由の1つはそれである、と。
密教大辞典だと、ゼンニシ童子ではなくシャニシャが見出し語になっている。長阿含経という経典に、鬼神であり、その名前を耳にしただけでアナン尊者は全身の毛が逆立ったとある、と。僕は原文を見ていない。
1つ指摘しておくと、ビシャモン天はインド神話のクベーラの別名、ヴァイシュラヴァナが漢訳されたもの。クベーラはあちらだと、ヤシャの王だったが修行の末に神々の仲間入りを果たしたとされる。それに、日本では吉祥天の母は鬼子母神で父は八大ヤシャ大将のサンシ大将。共にヤシャだ。だからゼンニシ童子が鬼神というのは、ごく自然のなりゆきだとは思う。
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