たかくらいなりだいみょうじん
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高倉稲荷大明神は、神奈川県藤沢市高倉に鎮座しています。最寄りの湘南台駅(小田急江ノ島線・相鉄いずみ野線・横浜市営地下鉄ブルーライン)から徒歩約15分。住宅街の一角にありながら、周囲の静けさと緑の多さが印象的です。
境内に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、稲荷神社らしい朱色の鳥居と社殿。その鮮やかさが周囲の景色によく映え、思わず「典型的な稲荷神社」と言いたくなります。ところが、掲示されている由緒書に目を通すと、その印象を軽々と覆す内容が記されていました。そこには、この神社の中心が必ずしも社殿ではなく、境内に並ぶいくつもの石仏であることが示されていたのです。これらの石仏群は、地域に根づいた多様な信仰の形を今に伝えており、単なる稲荷信仰の場ではないことを物語っています。由緒書を読めば読むほど、さまざまな信仰が共存するこの土地の歴史の深さを感じずにはいられません。
複数の信仰が同じ空間に共存するという現象は、まさに日本的ともいえる特徴でしょう。古くから、人々は自然や祖霊、そして新たに伝来した神仏を柔軟に受け入れ、互いを排除することなく祀ってきました。高倉稲荷大明神の境内に見られる石仏や社の配置も、その共存の精神を象徴しているように思われます。
興味深いことに、約60年前の航空写真を確認すると、当時の周囲には現在のような住宅街の姿はなく、田畑と森が広がるばかりでした。その写真の中に、わずかに社殿へと通じていたと思われる道筋が確認できます。社そのものは写っていませんでしたが、その道だけがぽつんと残されているのが印象的でした。おそらくその頃から、すでに地域の人々がこの地に祈りを捧げるための道を整えていたのでしょう。
今日では、その周囲はすっかり住宅地へと変貌を遂げています。社がその変化をどのように見つめてきたのかは定かではありません。しかし、森から街へと姿を変えていく長い年月の中で、人々の暮らしと信仰の移り変わりを静かに見守ってきたのではないでしょうか。私は今も、その道が確かに社へと通じる「祈りの道」であったと信じています。


境内・文化財
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文化八年(1811)、鎌倉郡和泉村の南竺山密蔵院正覚寺より勧請されたと伝わる。
歴史をもっと見る|| 名称 | 高倉稲荷大明神 |
|---|---|
| 読み方 | たかくらいなりだいみょうじん |
| 通称 | 四辻稲荷又は小倉稲荷神社 |
詳細情報
| ご祭神 | 稲荷神 庚申塔 青面金剛 猿田彦命 |
|---|---|
| 創建時代 | 文化八年(1811) |
| ご由緒 | 文化八年(1811)、鎌倉郡和泉村の南竺山密蔵院正覚寺より勧請されたと伝わる。 |
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