浄土寺の日常(260回目)
兵庫県小野駅

お盆のお参り珍道中

今朝は雨模様でしたので、いつもはスクーターで
お参りする棚経を、車で参ることにしました。
田舎のお盆参りは朝が早く、一軒目のお宅は
5時半くらいです。
沢山のお宅を周りますので、知らぬ間に急いで
不注意になっておったのでしょうか、2軒目の
お宅のご供養を終えて狭い路地をバックで下がって
おる時にガシャんと脱輪してしまいました...

運転歴20年以上ですが、初めての経験です。
車の外に出て衣姿で途方に暮れていると、先程
お参りしたお宅のご高齢のご主人が出てきてくださいました。

私が情けない顔で「どうしましょう、、」と一言。

するとご主人さんはお優しいお顔から一変、
キリッとした表情に変わられて、
「大丈夫や！上がれるで」とおっしゃっるのです！

私は完全に落ちた片輪を見ながら、
いや〜無理ではないかと思ったのですが、
ビックリ仰天！

ご主人さんは颯爽と車に乗って操作してくださると
あれよあれよと車が道へ上がりました。

まだまだある今日のお盆参りはもう諦めるしかないと
肩を落としていた私は、おかげさまで本日のお参りを
無事に終えることができました。

毎年お参りさせていただく度にお歳を召して、お体の
衰えも承知いたしておりましたが、
困った者を助けてくださる時の、その頼もしい御姿が
私にはまるで菩薩さまのように見えました。

広く大きく世に尽くされる立派な方々も沢山おられ
ましょう。中々真似できる事ではありません。

思うのです。大きなことはできなくとも、
私が今日出会った菩薩さまのように、日々起こる
小さな困ったことの瞬間に出くわした折には、
スッと手を差し伸べられる。

歳を重ねてもそんなふうに生きてゆきたいなと
思わせていただきました。

支え、支えられ、今日もおかげさまを忘れずに。

お盆の頃です、この今生の身を授けてくださいました
ご先祖さまにもどうか思いをお馳せくださいますように。

合掌九拝