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さいほうざんごくらくじ

西方山極楽寺の日常(43回目)
岐阜県名鉄岐阜駅

投稿日:2019年09月30日(月)
【今月のことば 2019年9月】

祈るによりて病も止み、
命も延びる事あらば、
誰かは一人として病み死ぬる人あらん。

‐法然上人‐

【意味】
祈りによって病気が治って寿命が延びるなら、誰ひとり病んで死ぬことはないだろう。

【解説】
仏教では人間の根本的な苦しみとなるのは「生老病死」の「四苦」だとしている。生まれたからには誰もが老いて病み、そして死ぬ。老いと病による体の衰えや死への不安が苦しみをもたらし、それを受け入れないことが新たな苦しみを生む。これが四苦の教えである。 

古来より人間はその苦しみから逃れる為に、まじないや祈祷を行ってきた。実際に効果があるかないかはどちらとも断言できないが、人間が超常的な力を信じて頼ってきたことは間違いない。

法然上人の時代は医学が発達した現代よりも生老病死の苦しみは大きく、人々が祈りに頼る気持ちもずっと強かっただろう。そんな時代の中で法然上人はこの言葉を通して、生老病死を受け入れることの大切さと、仏様に祈ることの本当の意味を伝えている。

生老病死と正しく向き合い、その苦しみを受け入れるための教えが仏教であり、その手助けをしてくれるのが仏様である。仏様と共に生きるという安心感こそが、私達が健やかに生きて死んでいく為の大きな力となる。その力が仏様への祈りによって得られる何よりの功徳である。

すてき

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