今月のことば　2021年12月

【解説】
　正しいことをしたいという善意があってもその気持ちが善行という正しい形になって現れるとは限らない。自分では正しいことをしているつもりなのに、自分や他人にとって不幸な結果をもたらしてしまう。それは地獄のように辛いことであり、逆に善意が善行となるなら、それは天国のように幸せであるということだ。

　仏教に八正道という教えがある。見解、決意、言葉、行為、生活、努力、思念、瞑想。この八つを正しく行うことによって悟りを開いて仏となれる。言われてみれば当たり前のことばかりである。しかし、その当たり前のことが出来ないのが人間の弱さである。正しいことを正しく行うにはどうすればいいのか。それがわからず私達は悩み苦しんでいる。

　そんな自分の弱さを感じた時こそ、私達を正しい道へと導いてくださる仏様のことを思い起こして欲しい。悩み苦しむ人の所にこそ、仏様は進んでやって来てくださる。仏様の教えを受け、少しでも正しくあろうとすることが、私達を導いて下さる仏様の慈悲の心に報いることになる。