今月のことば　2021年2月

為すべきは人にあり、成るべきは天にあり
‐杉田玄白‐


【意味】
　何かをするかしないかは人間が決める。それが成功するかしないかは天が決める。


【解説】
　成功するかしないは天が決めるということは、自分が頑張ったとしても、いい結果が出るとは限らないということである。きっと誰にでもそういう経験はあるだろう。その時は辛い思いをしたのではないだろうか。

　仏教に「求(ぐ)不得(ふとっ)苦(く)」という教えがある。欲しいものが手に入らない、自分の望む結果が得られないことが人間にとって根本的な苦しみの一つであるということだ。そのことを体得した上で、苦しみを苦しみのまま終わらせず、受け入れて乗り越えられるようになることが悟りを開くことである。その為には結果という一点に囚われない大きな目と心で物事を見ることが大切だ。そうできるように導いてくれるのが仏様の教えである。

　全力を尽くしてもいい結果にはならないかもしれない。その時は苦しい思いをするだろう。しかし、どんなことも自分がやろうとしなければ何も始まらない。自分の意志でやろうと決めただけでも大きな成果である。そして成し遂げようと努力すれば、結果以外にも得られるものはある。そのことに気づけたなら、苦しみは次に進むための力となる。