【毎日更新コラム】色鮮やかに受け継ぐ

亡き父がつけていた衣を
染め直ししました。

同じ色で染める(色上)、
違う色で染める(染替)、
と染める方法にもいくつかありますが、
今回は同じ色での染め直しです。

一旦すべての糸をほどき、
一枚の布にしてから洗浄と染色し、
乾いた後に再度仕立てる。
という工程を経て戻ってきました。

何年経った着物でも、
また鮮やかに仕上がりました。
着物の文化、職人さんの技は素晴らしいですね。
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お寺では、お衣、お袈裟、念珠など、
先代から受け継がれたものが、
たくさんあります。

新しく仕立てたものより、
引き継いだ方が多いかもしれません。

父と私は着丈もそれほど違いがなく、
染め直しすれば、
また着られるというのは
有り難いことです。
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寺の娘と言われるのも嫌だ、重荷だ、
と思う時期も長くありました。

ですが、お寺の長い歴史の中のひとりとして、
先代から引き継いだもの、
お護りしているものに見守られている
安心感と責任の両方に
育てていただいていると感じる毎日です。

色鮮やかに戻ってきた衣と同じように、
引き継いだものを大切に、
時には色鮮やかにアップデートしながら、
日々のつとめを重ねてゆきたいと
心に誓う今日です。
合掌
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