御朱印・神社お寺の検索サイト
楽しみ方釈迦如来とは?仏教を作ったお釈迦様が悟りを開いた姿の仏様を徹底解説
※記事中に使用したイラストの無断転載を禁止します。
「釈迦如来ってどんな仏様?」
「釈迦如来はどのように広がった?」
「釈迦如来が有名なお寺を知りたい!」
全国8万ヶ寺以上のお寺を紹介する日本最大の神社お寺・御朱印の検索サイト「ホトカミ」編集部の高原です。
こんな仏像を見たことはありませんか?
これは釈迦如来(しゃかにょらい)という仏像です。
特に、世界遺産に登録されている法隆寺の釈迦三尊像は国宝に登録されるほど有名です。
また、「釈迦」といえば仏教を開いた人物である「お釈迦さま」を思いつく方もいるのではないでしょうか?
そこで、この記事では釈迦如来の起源や信仰、見分け方について紹介します。
釈迦如来を知ることで、お寺への参拝がより楽しく深い体験になるはず。
ぜひ最後までお読みください。
この記事はホトカミサポーターさんのおかげで公開できました!
〈ホトカミサポーターとは〉
「100年後に神社お寺を残そう」というホトカミの理念に共感し、ホトカミの今後を応援してくださる方に、毎月500円からサポートしていただく仕組みです。
【サポーター限定の特典】
プレミアム検索機能では、切り絵・刺繍御朱印・一粒万倍日など、こだわりの御朱印がある神社お寺を、20種類以上の項目から見つけられます。さらに、神さま・仏さま・宗派からも検索可能。(無料お試しあり)
このほか「毎月あなたの幸せと健康をご祈願」「お気持ちで特典(全国の寺社からサポーター限定の特典)」「バナー広告の非表示」があります。
釈迦如来は仏教を開いたお釈迦様が悟りを開いた姿
釈迦如来はその名の通り、仏教の開祖であるお釈迦様が悟りを開いた姿です。
釈迦如来の見分け方は【両手が広がっている】こと。
それぞれの手の形は、
・右手のひらを前に向けた「施無畏印(せむいいん)」
・左手のひらを上に向けた「与願印(よがんいん)」
と呼ばれています。
漢字の通り、施無畏印には
「人々から恐れを取り除く(おそれを施すことなかれ)」
与願印には
「人々の願い事を聞き入れ、その願いを実現させる(願いを与える)」
という意味があります。
お釈迦様らしいですね。
釈迦如来の真言は
「ノウマク サンマンダ ボダナン バク」です。
釈迦如来が有名なお寺
飛鳥寺(奈良県)銅造釈迦如来坐像
飛鳥時代に制作された、日本最古の仏像です。
現在の姿は鎌倉時代に火災に遭い、多くの部分は修復された状態になっています。
ホトカミページを見る≫
法隆寺(奈良県)釈迦三尊像
飛鳥時代に制作された、国宝にも指定される仏像です。
大きく切れ長な目や面長な顔立ちが特徴的です。
ホトカミページを見る≫
清凉寺(京都府)木造釈迦如来立像
体の中には内蔵の模型や、仏への願いを記した「願文」など国宝に指定されるものが多く納められていました。
ホトカミページを見る≫
深大寺(東京都)釈迦如来像
飛鳥時代後期に作られた仏像です。
東日本最古で東京では唯一の国宝の仏像です。
ホトカミページを見る≫
【元々は王子だった?】釈迦如来の起源
釈迦如来はその名の通り、仏教の開祖であるお釈迦様が悟りを開いた姿です。
サンスクリット語ではシャーキャムニ(Śākyamuni)といい、
・シャーキャ(Śākya)=シャカ族
・ムニ(muni)には聖者
の2つの意味を合わせて「シャカ族の聖者」という意味があります。
お釈迦様の本名はゴータマ・シッダールタといい、紀元前6世紀ごろに実在した人物です。
ここからは、お釈迦様の仏様としての起源と仏像としての起源を紹介します。
お釈迦様は悟りを開いて仏様になった
元々は現在のインドとネパールの国境付近に住んでいたシャカ族の王子でした。
しかし、様々な出会いを通して、世の人々の苦悩を知り、人々を苦から解放するべく29歳の頃、王子としての立場を捨てて、出家しました。
その後、6年間の苦行を経て、菩提樹(ぼだいじゅ)の元で瞑想に入り、35歳で悟りを開き如来となりました。
悟りを開いたお釈迦様は、45年間、インド各地を説法しながら巡りました。
そして80歳のときに体調を崩し、沙羅双樹(さらそうじゅ)の元で頭を北に向けて入滅しました。
お釈迦様が入滅してからは、徐々にお釈迦様が神格化され、お釈迦様が前世で励んだ善行についての物語(ジャータカ)が作られ、仏教徒たちは、お釈迦様の前世での善行を手本に、自らも善行に励むことで悟りを開こうとしました。
このようにして、お釈迦様への信仰が広がっていきました。
釈迦如来の仏像は仏教と共に日本に伝わった
釈迦如来の仏像の起源は仏教文化の変化や広がりと深く関係しています。
ここからは、仏像が作られるようになった理由や、日本に伝わってきた経緯について紹介します。
初期仏教では、仏像が作られていなかった!?
初期仏教では、悟りを開いたお釈迦さまの姿を目に見える形で表現するのは畏れ多く、ふさわしくないと考えられていたため、仏像は作られていませんでした。
そこで人々は
・お釈迦様の遺骨を収めた塔:ストゥーパ
・お釈迦様が悟りを開いた木:菩提樹(ぼだいじゅ)
・お釈迦様の足跡をの形をした彫刻:仏足石(ぶっそくせき)
などを信仰の対象としていました。
しかし、お釈迦様が亡くなってから約500年後(紀元後1世紀後半)頃に,
ギリシアなど他の文化が伝わってきたことや、仏足石などの彫刻から影響を受けて(諸説あり)、ガンダーラ(現パキスタン北部)とマトゥラーで仏像が作られはじめました。
ガンダーラの仏像はギリシアなど西欧の文化に影響され、より写実的で彫が深くなっています。
・マトゥラーの仏像
マトゥラーの仏像は、制作された当時のインド人のような顔をしています。
-
まとめると
- 仏教は釈迦によって紀元前6世紀ごろにインドで生まれた
- 初期の仏教では「ストゥーパ」「菩提樹」「仏足石」などを信仰の対象にしていた
- 文化の融合などにより仏像が作られ始めた
次に、インドで生まれた仏像が、中国や朝鮮半島を通じて日本にやってくるまでを紹介します。
釈迦如来が日本で作られるまで
仏教がガンダーラから中央アジアを経由して東アジアに伝わったことで、
中国や朝鮮半島でも仏像が作られるようになりました。
そして、朝鮮半島から飛鳥時代の日本へ仏教文化が伝わり、それとほぼ同時期にお寺や仏像が作られるようになりました。
仏像は様々な文化が交わり、その結果として美しい姿を持つようになったのですね。
日本最古の仏像と言われているのは、奈良県にある飛鳥寺の釈迦如来坐像です。
606年※に作られましたが、現在の姿は鎌倉時代に火災に遭い、多くの部分は修復された状態になっています。
※諸説あり。606年に制作された説と609年に制作された説があります。
ここまで釈迦如来の起源について説明してきましたが、
お釈迦様の信仰に関しては、偉大な人物としてのお釈迦様を信仰するパターンと、
悟りを開いた仏様としてのお釈迦様を信仰するパターンがあります。
日本では主に後者の悟りを開いた仏様として信仰されています。
ここからはそんな釈迦如来への信仰について解説していきます。
【仏教の基礎となった釈迦の教え】釈迦如来の信仰
お釈迦様が悟りを開き、人々に説いた4つの教えを「四法印(しほういん)」と呼びます。
それぞれ
・一切皆苦(いっさいかいく)
・諸行無常(しょぎょうむじょう)
・諸法無我(しょほうむが)
・涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)
と呼ばれています。
諸行無常は平家物語の冒頭にも出てくる言葉ですね。
この四法印は、いくつかの宗派がある仏教の基礎となる重要な教えです。
ここからはこの四法印を簡単に紹介していきます。
一切皆苦(いっさいかいく)
一切皆苦とは世の中のすべてのものは「苦」に通ずるということを説いています。
人々は多くのことを「快」「不快」の二つに分けて感じていますが、それらはどちらとも「苦」につながるということです。
例えば
『大切な人に会う「快」』を追い続けると、『別れという「不快」』につながります。
このことを理解し「快」を追い求めることをやめると「苦」がなくなっていきます。
諸行無常(しょぎょうむじょう)
諸行無常とは、この世の全てのものは絶えず変化し続けているということを説いています。
・諸行(しょぎょう)=この世の全てのもの
・無常(むじょう)=常に変わり続けること
を表しています。
私たちは自分が置かれた状況が不変のものと感じてしまうがために、何か変化が起こると一喜一憂してしまいます。
この一喜一憂が「苦」につながってしまうと考えられています。
そこで、諸行無常を自覚することで、変化に対する一喜一憂がなくなり、「苦」をなくすことができます。
諸行無常を自覚することを無常観(むじょうかん)と言います。
諸法無我(しょほうむが)
諸法無我とは、この世の全ては各々の関係性によって成り立っているということを説いています。
私たちも、五蘊(ごうん)という五つの要素の関係性によって一時的に成り立っている存在とされています。
五蘊の組み合わせによっては動物や虫などにもなりうるとされています。
-
五蘊
- 色蘊(しきうん):人間の肉体を構成する要素
- 受蘊(じゅうん):苦(不快)や楽(快)を感じ、何らかの印象を受け入れること
- 想蘊(そううん):受蘊で感じたことを色や形などでイメージする作用
- 行蘊(ぎょううん):〜したいという欲求
- 識蘊(しきうん):分別・判断する心
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)
涅槃寂静とは、煩悩がなくなった状態は、安楽で清らかであることを表しています。
・涅槃(ねはん):全ての煩悩が消え去った境地のこと
・寂静(じゃくじょう):安らかで清らかな状態
仏教では涅槃寂静に至ることで、輪廻転生から離脱し、苦しみからの解放を求めて修行を行います。
「一切皆苦、諸行無常、諸法無我、涅槃寂静」の4つの教え(四法印)をもとに仏教徒たちは悟りを求めて修行に励みました。
終わりに
ここまで釈迦如来の見分け方や起源について解説してきました。
仏教を開き、インドからアジアを中心に信仰を広げていくきっかけとなった釈迦如来。
仏教の伝来とともに日本で一番最初に作られた仏様の仏像には、多くの意味が込められています。
仏像に込められた教えや物語を知ることで何気なく手を合わせていた仏像から、新たな学びや感動を得られるはずです。
ぜひ、この機会に仏像を見にお寺に参拝してみてはいかがでしょうか。
お寺に参拝した際には、ホトカミにも投稿してくださいね!
仏像イラストレーターが作った 仏像ハンドブック
初心者からマニアまで、これを読めば仏像がもっと楽しくなる!
神社お寺の検索サイト「ホトカミ」運営代表
吉田 亮
月間120万人の神社お寺ファンが使う神社お寺の検索サイト「ホトカミ」を運営する株式会社DO THE SAMURAI代表取締役。
東京大学理科II類入学後、文学部言語文化学科日本語日本文学(国語学)専修課程卒業。
2013年より日本文化や歴史を後世に繋ぐ事業を開始、2016年法人化。
これまで2000人以上の参拝者との対話や、累計1000万アクセスを超えるお参りに関する記事の執筆編集、100年後に神社を残すために社会と神社の接点を創出する。
ホトカミ編集部 御朱印記事ライター
高原 健太郎
日本文化や神社お寺が好きです。
独特の雰囲気に魅了されてから、寺社めぐりが趣味になりました。
イラストレーター
田中ひろみ
絵文人・仏像研究家(株)TERABIT代表、奈良市観光大使女子の仏教サークル「丸の内はんにゃ会」代表。
カルチャー センター講師。元ナース。テレビ出演、講演も多数。ART ・俳句・盆踊らー
著書 『イラストレーターが作った仏像ハンドブック』(ウェッジ) など約70冊
仏像紹介記事一覧
菩薩の見分け方や特徴を徹底解説
菩薩とは?弥勒菩薩や観音菩薩など7種類の有名な仏様を徹底解説
有名な7つの観音菩薩を徹底解説
観音菩薩とは?あなたの悩みに寄り添う観音様の役割をやさしく解説
千手観音の起源と信仰を紹介
千手観音とは?1000本の手が表す意味や人々を救う方法を徹底解説
弥勒菩薩の起源と信仰を紹介
弥勒菩薩とは?半跏思惟像で有名な56億7000万年後に現れる仏様の役割を解説
この記事はホトカミサポーターさんのおかげで公開できました!
〈ホトカミサポーターとは〉
「100年後に神社お寺を残そう」というホトカミの理念に共感し、ホトカミの今後を応援してくださる方に、毎月500円からサポートしていただく仕組みです。
【サポーター限定の特典】
プレミアム検索機能では、切り絵・刺繍御朱印・一粒万倍日など、こだわりの御朱印がある神社お寺を、20種類以上の項目から見つけられます。さらに、神さま・仏さま・宗派からも検索可能。(無料お試しあり)
このほか「毎月あなたの幸せと健康をご祈願」「お気持ちで特典(全国の寺社からサポーター限定の特典)」「バナー広告の非表示」があります。
都道府県から神社お寺を探す
北海道・東北
関東
中部
最新の限定御朱印情報が届く!
御朱印メルマガを受け取ろう
利用開始をもって利用規約・プライバシーポリシーに
同意したものとみなします。










初心者向けの仏像の基本的な知識から、仏像の世界がさらに広がるマニア級の深い豆知識まで、イラストで分かりやすく解説されています。
ホトカミユーザーの皆さんにオススメの1冊です!