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耕田院の日常(385回目)山形県羽前大山駅

「お金」と「カネ」

投稿日:2024年02月20日(火)
輪橋山徒然話  2024-2-20. 「お金」と「カネ」

◆さて、次の価格は…?

○1976年11月~ 2.5秒/10円(昼間) 
※ 10円で2.5秒ということだ。

◆ちなみに
○1981年 8月~ 3秒/10円(平日・昼間)
○1983年 7月~ 4.5秒/10円(昼間)

◆これは、赤電話の10円での通話時間である。ただし、750キロ以上離れているという地点との電話、ちょうどこのあたりと東京との距離だ。

◆3秒/10円とは、「もしもし、輪橋山徒然話です」と出たらもう終わりの秒数だ。

◆テレフォンカードもないあの頃10円は貴重だった。10円を笑うものなどいなかった。そして子どものころから、どの子も「お金」は、大切で、有り難いものだと教えられてきた。それ以上に一円といえども、国家の財産と教えられてきた。

◆だから、「同情するならカネをくれ」(1994年ドラマ「家なき子」)が流行したときの「お金」を「カネ」という少女は斬新だった。世の中の全ての不平等にぶつける怒りが「カネをくれ」だ。「カネ」と言い方は、それこそ今でいう不適切表現だった。

◆しかし、毎日のように報道される「政治とカネ」。この「カネ」には「お」はついていない。

◆名詞に「御(お・ご)」の付ける場合は、下記のきまりがある。

○恐れ多いものへのタブーの段階…………「お宮」「お日様」
○身分の高い人への絶対敬語の段階………「お城」「お手打ち」
○相手に属するものへの相対敬語で、尊敬語の段階…「お顔」「お帽子」
○女性語の段階………………………………「おとうふ」「お鍋」
○美化語の段階………………………………「おかゆ」「お茶」

井上史雄『経済言語学論考―言語・方言・敬語の値打ち』明治書院、2011年より

◆「お金」の「お」は「おかゆ」「お茶」と同じ「美化語」つまり「丁寧語」だ。それに加え、「労働への対価」としての「お金」、恐れ多いものへのタブーの面もあったように思う。

◆毎日「政治とカネ」との報道は、「お金」と言うべきところを「カネ」と言う。「お金」を蔑んで呼ぶ。しかし「お金」には罪はないのである。しかも、この「カネ」は「税金」だ。国民の血税である。国民のお金を「カネ」と言うのは失礼だ。

◆報道する側も「カネ」「カネ」と毎日連呼するよりも、「政治と国民のお金」と切り出した方が品はよい。「カネ」と使うようでは、いつまでもこの問題は終わらない。そもそも「お金」を政治家の志の低さと同じ「カネ」と呼ぶようでは、なんとも文化の香りがしない。

◆さて、「お」「ご」をつけるきまりの中に「カタカナ」にはつけないという決まりもあるそうだ。「おカネ」はもちろん、「おビール」も本当はアウトだ。

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耕田院(山形県)

すてき

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