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耕田院の日常(331回目)山形県羽前大山駅

「シュール」な翻訳家の感性。

投稿日:2023年07月25日(火)
「シュール」な翻訳家の感性。2023/7/78輪橋山徒然話 #雲昌寺の地蔵さま

◆翻訳家の岸本佐知子さんのエッセー集「ねにもつタイプ」(ちくま文庫)が「シュール」だ。たとえばこうだ。

◆「何気なく使っているが、字面だけ見ると、ちっと変」な言葉、「実体を知らずに字だけ見たら大変なことになりそうな言葉」について書いてある。

◆「刺身」。

もしも意味を知らずに、この言葉に出会ったら、「全身をめった刺しにされて血まみれの状態。また、その人。多くは死んで冷たい」を岸本佐知子さんは想像するという。

◆やさしくて気のいい老人をいう「好々爺(こうこうや)」。

老人のエロスに対する、あくなき執着が実体化したもので、人間に危害は加えないが時々里に下りてきて風呂を覗くなどの悪さをする妖怪の一種。

◆美人局(つつもたせ)

本来「夫(や情夫)としめし合わせた女が、他の男と通ずるかに振る舞い、それを言い掛かりとして夫(や情夫)がその男をおどし、金銭などを巻き上げる、ゆすり」だが、岸本佐知子さんは、官公庁街の一角にあり、大勢の美人が勤務している。業務の内容は不明だがなんとなく全員が地球防衛軍の制服を着ているような気がする。

◆さて、ある言葉の「字面から印象」を岸本佐知子さんが次のようにあげている。いったい何を想像するだろう。考えて欲しい。

「よくわからないが、たぶん何かの生き物なのだ。」

「全身が真っ赤でてらてらしている。」

「入道のように毛のない頭から湯気を立てている… 。」

「夜行性でシャーっと鳴く」

「小動物を生で食らう」

◆だんだんこの世のものとは思えなくなってくる。しかし、彼女の答えはなんと「赤ん坊」だ。

◆もしも実体を知らずに、この言葉に出会ったら、「千と千尋の神隠し」に登場した巨大な赤ちゃんの妖怪を想像しても、何にもおかしくないということなのだ。

◆一つのことばを通して、違う国の作者との同じ感覚を探す翻訳家の感性にちょっとだけ触れられた気がした。

◆「ねにもつタイプ」の岸本佐知子さんは同世代である。だからわかる。これを「シュール」というのだろう。しばらく手放せない。

◯さて、瀬戸内寂聴さん

情報には、人を洗脳する魔力があります。情報が創った流行を追っても、決して追いつくことはありません。情報に足をすくわれないように、自分で正否を判断する力を養いましょう。

実体を知らねば、赤ん坊が妖怪と思うこともあるのが人間なのだ。「一見は百聞に如かず」だ。

◯さて、今日は何が待っているのだろう。とうとう30度。「日陰」のありがたさにおかげさまと一日が終わりそうだ。「□△○」と角を一つひとつ無くしてがんばろう。

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耕田院(山形県)

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