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耕田院の日常(313回目)山形県羽前大山駅

岩ゆりと30年前の恩返し

投稿日:2023年07月07日(金)
◆写真は岩ゆりの花である。今の時期になると海岸線の断崖絶壁のようなところに咲いている花だ。岩と岩のわずかな隙間に根を張っている。運よく写真に撮ることができた。出かけてきてよかった。

◆今朝は「手渡すということが最高のコミュニケーション」という話。
輪橋山徒然話2023/6/21

◆タイのCMからだ。

◆舞台は30年前のタイの雑踏。混み合う人。しかし、貧しい中にも活気がある。

突然男の子を叱責する声から始まる。

女:「こっちにおいで、泥棒!」
小さな男の子を小突く女。

女:「何を盗んだんだい?」
男の子が手にしていたものを取り上げる。ビンと薬ののようなものが女の手に。

女:「これで何するつもりだっんだい?」
また、小さな男の子を小突く。申し訳なさそうに頭を下げる男の子。

女:「言いなさいよ!」

立て続けに捲し立てる。

男の子:「母さんに」
男の子は小さな声で、やっと言葉にする。

店の女の子:「パパ!」
見かねて父を呼ぶ食堂の娘。

店の主人:「ちょっと待った」
まだ若い店の主人が間に入る。

店の主人:「お母さんは病気なのかい?」
貧しそうな男の子の様子を見て声をかける。
うなずく男の子。
だまって何枚かの紙幣を女に渡す主人。

女:「もうするんじゃないわよ!」
男の子を指さして女。頭を下げたままの男の子。

店の主人:「おい!野菜スープ」
店の女の子に声をかける主人。
店の娘は袋に入れたスープを主人に渡す。
主人は男の子が盗んだ薬と店の野菜スープを黙って男の子に渡す。

ゆっくりと顔をあげて、店の主人の顔を見て、袋をひったくるように駆け出す男の子。

◆「30年後」という文字

店の主人:「そこにどうぞ」
店は綺麗になり、繁盛しているようだ。

店の娘:「パパ!」
さきほどの店の娘も大人になっている。
すると手を合わせ、物乞いをする男の姿。

店の主人「ほら持ってきな」
主人は袋に入れた食料を渡す。
袋を額につけて感謝する物乞いの男

店の主人「次の注文だ」
突然、フラフラと倒れる主人
駆け寄る娘。

病院
人工呼吸器をつけて眠る主人
付き添う娘に看護婦から手渡された治療費一覧という紙
「計792000バーツ」
次のシーンは店の玄関に貼られた「至急売ります!」の紙だ。治療費のために店を処分するのだろうか。

父に付き添い、疲れて眠る娘

ふと目を覚ますと一枚の紙がある。

「治療費要綱」と書かれた文字

合計の欄に目をやる娘。
「計792000バーツ」が「計0バーツ」になっている。

そして、次のことばが添えられていた
「すべての費用は30年前支払い済み」

「三つの鎮痛剤、及び
一袋の野菜スープによって
心よりの敬意を Dr.プランジャーク・アルーントン」
病院の担当ドクターが30年前の小さな男の子だったのだ。

「手渡すということが最高のコミュニケーション」のタイトル文字。

◆因果応報 善因善果 悪因悪果

縁は30年後にまでつながっていた。30年前の恩返しだ。良いことをしていれば良い結果になるし、悪いことをしていれば悪い結果になる。それだけではない。このCMには、「タイ」という国の「かく在りたい・生きたい」という意思が感じられる。

◆瀬戸内寂聴さん
私たちの生きているこの世で起きることにはすべて原因がある、これが「因」です。
起こった結果が「果」です。因果応報というように、必ず結果は来るのです。

◆宿命は生まれるまでのこと。運命は生まれた日からのことをいうのだそうだ。
耕田院(山形県)

すてき

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