耕田院の日常(293回目)|山形県羽前大山駅
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投稿日:2023年06月15日(木)
「貧(ひん)すれば鈍(どん)する」という諺がある。太宰治は「貧すれば貪す」と書いたそうだ。今朝は「貧」と「貪」いう字について考えた 2023/5/31 輪橋山徒然話
◆「つっけんどん」とは、「無遠慮でとげとげしいさま。冷淡なさま」のことを言う。言葉の語源は、江戸の昔「けんどん屋」なるものだ。
◆一杯限りの盛り切り飯を食べさせた「一膳飯屋」の中で、特に愛想がなく、態度が悪かった店を「陰」で「けんどん屋」と呼んだという。漢字で書くと「慳貪屋」という字になる。この「慳貪」という言葉は「法華経」や「無量寿経」などにもある仏教の言葉である。
◆「突(っ)慳貪」とはどのような意味になるのだろう。
◆「突」は接頭詞でトゲトゲしいという意味だ。慳は「おしむ。しぶる。けちけちする」という意味であり、貪は三毒の「貪瞋痴(とんじんち)」の貪であり、貪(むさぼる)ることである。
◆あれと思った。貪と貧の二つの文字が同じに見えるのだ。パソコンと老眼のせいだ。改めてよくみた。
◆「貪る(むさぼる)」という字は、自分の財産=「貝」に「今」が乗っている。「貧しい」は「分」が乗っている。似ているが全く違う。「今」は財産に蓋をしているという意味。そして、「貧しい」と言う字は自分の財産を皆に分けるという意味になる。真逆だ。
◆「貪」は貪瞋痴の「貪」で、「もっともっとと貪ること」。しかし、「貧」は自分の財産をみんなにわけての貧乏だから褒められることでもありそうだ。
◆こんな人物がいた。
◆世界でいちばん貧しい大統領と言われた、ホセ・ムヒカだ。2010年から5年間、南米のウルグアイの大統領を務めた。彼は収入の九割を寄付、公邸に住むことを拒み、愛妻と愛犬と共に小さな農場で質素な暮らしを続けた。実際に彼の財産は、フォルクスワーゲン・タイプ1 (ビートル、1987年製)とトラクター、農地のみだ。自分の財産を皆に分け与えることで「貧しい」大統領だ。
◆こんな逸話がある。彼の愛車フォルクスワーゲン(2014年現在の価値は2800ドル(約32万円))をアラブの富豪が100万ドル(約1億1600万円)で買い取りたいと申し出たことがあったそうだ。このとき彼は「友人たちから貰った物だから、売れば友人たちを傷つけることになるでしょう」と、これを拒否したそうだ。
◆このムヒカ大統領の名を世に知らしめたのは2012年にブラジル・リオデジャネイロで開かれた国連持続可能な開発会議でのスピーチだ。「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲望があり、いくらあっても満足しない人のことだ」と先進国の大量消費社会を強く、しかし優しい口調で批判した。
◆ムヒカ大統領の主張は太宰につながる。貧乏が不幸なのではない。太宰がいうように貧乏すると貪欲(どんよく)、つまり欲深になることが怖いのだ。ものを持たないが故にムヒカ大統領は清々しい。
◆寂聴さんはいう。
お金がなければお金さえあればいいと思い、お金が潤沢にまわってくる頃には別の苦しみが必ず訪れる。物質文明の味気なさは、人間の心を日々貧しくするばかりです。
いつもニコニコハラタテマイゾヤソワカ
ブログとHP↓
lit.link/oyama1049
◆「つっけんどん」とは、「無遠慮でとげとげしいさま。冷淡なさま」のことを言う。言葉の語源は、江戸の昔「けんどん屋」なるものだ。
◆一杯限りの盛り切り飯を食べさせた「一膳飯屋」の中で、特に愛想がなく、態度が悪かった店を「陰」で「けんどん屋」と呼んだという。漢字で書くと「慳貪屋」という字になる。この「慳貪」という言葉は「法華経」や「無量寿経」などにもある仏教の言葉である。
◆「突(っ)慳貪」とはどのような意味になるのだろう。
◆「突」は接頭詞でトゲトゲしいという意味だ。慳は「おしむ。しぶる。けちけちする」という意味であり、貪は三毒の「貪瞋痴(とんじんち)」の貪であり、貪(むさぼる)ることである。
◆あれと思った。貪と貧の二つの文字が同じに見えるのだ。パソコンと老眼のせいだ。改めてよくみた。
◆「貪る(むさぼる)」という字は、自分の財産=「貝」に「今」が乗っている。「貧しい」は「分」が乗っている。似ているが全く違う。「今」は財産に蓋をしているという意味。そして、「貧しい」と言う字は自分の財産を皆に分けるという意味になる。真逆だ。
◆「貪」は貪瞋痴の「貪」で、「もっともっとと貪ること」。しかし、「貧」は自分の財産をみんなにわけての貧乏だから褒められることでもありそうだ。
◆こんな人物がいた。
◆世界でいちばん貧しい大統領と言われた、ホセ・ムヒカだ。2010年から5年間、南米のウルグアイの大統領を務めた。彼は収入の九割を寄付、公邸に住むことを拒み、愛妻と愛犬と共に小さな農場で質素な暮らしを続けた。実際に彼の財産は、フォルクスワーゲン・タイプ1 (ビートル、1987年製)とトラクター、農地のみだ。自分の財産を皆に分け与えることで「貧しい」大統領だ。
◆こんな逸話がある。彼の愛車フォルクスワーゲン(2014年現在の価値は2800ドル(約32万円))をアラブの富豪が100万ドル(約1億1600万円)で買い取りたいと申し出たことがあったそうだ。このとき彼は「友人たちから貰った物だから、売れば友人たちを傷つけることになるでしょう」と、これを拒否したそうだ。
◆このムヒカ大統領の名を世に知らしめたのは2012年にブラジル・リオデジャネイロで開かれた国連持続可能な開発会議でのスピーチだ。「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲望があり、いくらあっても満足しない人のことだ」と先進国の大量消費社会を強く、しかし優しい口調で批判した。
◆ムヒカ大統領の主張は太宰につながる。貧乏が不幸なのではない。太宰がいうように貧乏すると貪欲(どんよく)、つまり欲深になることが怖いのだ。ものを持たないが故にムヒカ大統領は清々しい。
◆寂聴さんはいう。
お金がなければお金さえあればいいと思い、お金が潤沢にまわってくる頃には別の苦しみが必ず訪れる。物質文明の味気なさは、人間の心を日々貧しくするばかりです。
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すてき
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住職さんも、ホトカミを通じてお参りされる方がいるんだなぁと、情報を発信しようという気持ちになりますし、
「ホトカミ見ました!」きっかけで豊かな会話が生まれたら、ホトカミ運営の私たちも嬉しいです。