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耕田院の日常(276回目)山形県羽前大山駅

投手は下手投げのみ

投稿日:2023年05月25日(木)
◆我が母校は中高一貫校になるらしい。私が高校生の頃は、おじさんのような応援団長がいて、入学すると校歌や応援歌を指導された。閉口した。

◆創立135周年とか。知っている限り、甲子園とは全く無縁だったが一度くらい奇跡が起こってもいいように思っている。今年が最後の夏だ。昨日の朝刊に夏に向けての春季大会のトーナメント表が新聞にあった。

◆野球と名付けたのは、正岡子規である。これは「松蘿玉液」という随筆にある。松蘿玉液は「しょうらぎょくえき」と読み、子規が愛用した中国産の墨の銘をとって名づけられた。当時まだ28歳。新聞「日本」に連載された。

◆次の文章が有名だ。

遊技に必要なものは、およそ千坪ばかりの平坦な地面、皮に包んだ小さな球、それを撃つ木の棒、座布団のようなベース、キャッチャーの後方に張る球を遮る網、球は一個だけ。それも球は常に防者の手にあり。 -略- 球が正当な位置(本基の上を通過し、かつ肩より高からず膝より低からず)を通ったら、打者は撃たざるべからず。棒が球に触れて線の中に落ちたら、木の棒を捨てて、第一基(一塁のこと)に向かって一直線に走る。この時打者は走者となる。

◆松山東高野球部OB会は、この随筆松蘿玉液を手がかりに、明治時代の野球規則を調べ、20年も前から実践を楽しんでいるそうだ。

◆投手は下手投げのみ。ワンバウンド打球もとればアウト。ストライクゾーンは打者の申告で動き、盗塁はいっさいない。試合はのんびり進む。アンダースローで投げるのだから、そもそも相手に打たせて遊ぶゲームなのである。フライをあげて、フライを取る。危険なクロスフレーもない。こんなにも「のどかな」スポーツだったのかと驚くそうだ。

◆子規の頃から、野球はどんどん発達し、進化し、あるいは失われたところも多々あるのだろう。「のどかさ」が我が国では全くもって失われているのではないかと思うことに出会った。

◆あそこまでの過激さはないが、結構近くまで車間距離を詰めた車だ。追い抜いけばいいのに、そうしない。ああいうのを見ると嫌になる。

◆オックスフォード大学のジョセフフォーカスは変わった実験をして国民性を調べた。

◆自動車で信号待ちをしている時に、赤から青色に変わっても車を発進させずにそのまま停車し続けて、後ろの車がどれくらい我慢できるかだ。それで国民性の怒りっぽさを調べた。青色に変わってから後ろの車がクラクションを鳴らすまでの時間を測定したのだ。

◆予想通り一番早く反応したのはイタリア人だ。だいたい5秒後にクラクションを鳴らしていた。続いてスペイン人は6秒、ドイツ人は7.5秒だとか。

◆さて、日本人はどうだろう。

◆私はクラクションをなるべく鳴らさないと教えられた世代であるが、こんな田舎の信号でも5秒も待たない気がする。

◆瀬戸内寂聴さんはいう。
お互いにわらっていれば、けんかなんてできないでしょう

◆「あおり運転」でさえ、アメリカ以外の国ではみられないという話を聞いた。つまり、日本とアメリカだけだ。

◆いつもニコニコ、一筆啓上付箋写経。

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耕田院(山形県)

すてき

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