感情移入ギャップ

◆問題です。

先日見かけた洋服が気になっています。
もう一度だけ見に行くことにしました。
さて、もう一度その洋服を手に取ったなら、次のどちらの感情になることが多いでしょう。

① 欲しいけど今は我慢。
② やっぱり欲しい思い切って買ってしまおう

さてどうだろう。答えは②。「やっぱり欲しい思い切って買ってしまおう」と考えることが多いそうだ。

◆私も経験がある。もう一度見に行った時点で十中八九買ってしまう。

◆この行動は感情移入ギャップ。私たちの脳の特徴として説明できる。

「平静時は興奮時の自分の行動を予測するのが難しい」
「興奮時は平静時の自分の行動を予測するのが難しい」

◆人間は、もしもの時に「えっ、まさか」という行動をとったりする。たとえば、よくあるのが「アクセル」と「ブレーキ」の踏み違い。いつもはしっかりしているあの人が、踏み違ったあとパニックになって事故が大きくなってしまう。

◆移入というのは移しかえるという意味だ。つまり、「平静時は興奮時の自分の行動を予測するのが難しい」とは、ブレーキを踏み間違って、事故を起こしてしまって興奮時に、自分がどのような気持ちになり、結果的にパニックになってとんでもない事態になることを「平静時」に予想できない。つまり、興奮時の感情に平静時は置き換えられないということだ。

◆「興奮時は平静時の自分の行動を予測するのも難しい」は、ブレーキを踏み間違って、事故を起こしてパニックになっている興奮時に、平静な時の自分ならどう行動するかと置き換えて考えられないことをいう。

◆その証拠に根本的な解決策である「踏み違い防止装置」の普及は進まない。「踏み違い」が悲劇を生んでからもう何年も過ぎているのに、だ。なかなか自分事として捉えられないのだ。

◆この傾向が正しく知っていれば、人間として自分への知的なアプローチが可能になる。

◆例えば、欲しくなった時の気持ちさえ、冷静な時に想像するのは難しいのだと知っていれば、その店にもう一度行かない。もしも、踏み違いをしたら…と考え、踏み違い防止を車に装着を考える。「・・・かもしれない」という発想、自分を俯瞰する姿勢が大事になる。

◆何より脳が興奮したときにコントロールできなくなることを知っていれば心を保つことを意識せねばならない。これが知的なアプローチだ。まず、深呼吸。それだけで違う。

◆それでも思い通りにいかないときは寂聴さんのことばを思い出すのだ。
生きていく上で、いかに心を調整できるかが大事です。自分では上手くできないから、仏様に「どうぞ私の心を抑えてください」と願うのが信仰です。

いつもニコニコ。一筆啓上付箋写経と自己内対話と輪橋山徒然話。