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耕田院の日常(246回目)山形県羽前大山駅

偏見と中道 フィルターバブル現象

投稿日:2023年04月13日(木)
◆「#〜な人と繋がりたい」。

◆これがSNSのキーワードだ。同じ趣味の人が集まって交流することで、価値観を共有し、自分の世界を広げたり深めたりできる。これがSNSの魅力だ。

◆しかし、光の部分もあれば影の部分もあるのが、この世の中の習わしだ。本日の徒然話は、この闇の部分にも目を向けたい。
 
◆フィルターバブル現象という言葉を知っているだろうか。

◆検索サイトは、「あなたが見たくないような情報を遮断する機能」を持つ。実はこのことにより、フィルターバブル現象が起こる。つまり、「泡」の中に包まれたように、あなたは見たい情報しか見れなくなってしまっているのだ。

◆自分のスマホに、自分が好きなものや興味を持っている分野の情報ばかりで、至極便利でよいだろうと思うが果たしてそういっていいのだろうか。

◆例えば「経済活動が環境保護よりも優先されるべきだ」と考える人に「環境保護が大事だ」という反対の考えが流れて来なかったら。また、ある政治的信条を持っている人に、その信条に賛成かる情報ばかりが提示されて、反対する立場の情報を知ることができなかったらどうなるだろうか。考え方や政治信条がさらに強固になるだろう。

◆しかし、それは、個性ではなく「偏見」だ。

◆この偏見が強くなると、自分と同じ考え方やグループだけを信じ、他の考え方やグループを理解しようとしなくなってしまう。排除の原理が働くだ。これが、対立や不和を生み出す原因になるのだ。

◆仏教ではこの偏見を嫌う。そして偏見に対して「中道」を説く。例えばある問題に対して、極端な意見や考え方ではなく、中立的でバランスのとれた考え方をしようとする。先ほどの環境保護と経済活動であれば、「環境保護は大切だけど、経済活動も必要だから、バランスを考えた対策が必要」という立場をとる。

◆フィルターバブルに陥っている人間像としては、チャットGDPによれば以下のような特徴を持つという。

・自分の意見や立場に合致する情報にしかアクセスしない。
・受け入れられない意見や立場に対して、攻撃的である。
・自分と同じ意見を持つ人々としか付き合わない。
・新しい情報やアイデアに関心を持たず、自分の世界観を変えることに恐れを抱いている。
・自分が信頼している情報源に反する情報を拒絶する。
・自分の立場を支持するデータや情報を選別し、不都合な情報を無視する。
・自分にとって都合の悪い情報には接触しないように努力する。

◆とくに、「同じ情報源」「攻撃的である」「反論を拒絶する」「情報の選別」が顕著だと思う。心当たりの人が周りに一人二人いないだろうか。

◆瀬戸内寂聴さんは、「人間は思い込みがちで、自分が思っていることが正しいと信じる傾向がある」という。そして、その思い込みこそが偏見であり、自分の持つ偏見を客観的に見つめ直すことが大切だと教えている。そして、「どこかで自分を正す勇気を持つことが必要」だとも説いている。

◆「深呼吸と一筆付箋写経」心を清々しく保つための術として。今日も一日オンニコニコで。
耕田院(山形県)

すてき

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