◆母親の「言行不一致」と「キレる子ども」

◆母親の「言行不一致」が子どもの混乱をもたらし「キレる子どもを育ててしまう」について考える。

◆一つのエピソードがある。

◆セラピストの石井裕之先生がこんな話を紹介していた。

昔、電車に乗っていた時に、嫌な光景に出会ってしまいました。

小学校一年生ぐらいの男の子とそのお母さんらしき人が乗って来ました。お母さんは子どもにこういっていました。
「クラスではいっぱい友達作りなさいよ。みんなに親切にしてあげるんだよ。」と
「うん」子どもは言いました

次の駅で 何人かの人が降りて行って、席がまばらになりました。
子どもは「そこが空いてるから座ろうよ」とお母さんの手を引きます。
お母さんがそこで言った言葉に 僕(石井裕之先生)はひどくショックを受けました。

◆さて、母親はなんといったのだろう。

「座るとさ、年寄りが来た時に面倒くさいから 立ってんのよ。」
子どもの気持ちを思うと、どうにも胸が痛みました。
※ダメな自分を救う本 石井裕之祥伝社より

◆「人に親切に」と言いながら、「年寄りにかかわるな」と教える母親である。電車の子どもは、「人として」この時いったい何を学習したのだろう。

◆子どもの教育で大事なのは「言動一致」である。特に善悪の判断を教える時大事になる。ところが、電車の母親は、まさに「言動不一致」なのだ。明らかに矛盾しているのだ。子どもに「親が本当はそのように思っていない」と伝えているようなものだ。親が親切の大切さを教えても、「どうせ本当はそう思っていないだろう。口先だけ」と、子どもは学習してしまうのだ。やがて、母親の笑顔は、心からの笑顔はないと見抜くのだ。

◆日常的にありそうなこのような場面も実はそうだのだ。

ママ　　「好きなお菓子を1個買っていいよ」
子ども　「これが欲しい！」
ママ　　「そのお菓子はダメ！」
子ども　「（好きなお菓子買っていいって言ったのに･･･）」

◆また、イライラしているときに「母さん、怒ってる？」と聞かれても「怒ってないわよ（怒）」。風邪気味の母親に、「ママ大丈夫？」と尋ねても「大丈夫よ」。このような回答のも実は「言動不一致」だ。学校で、教師と生徒との間でもありそうな場面でもある。

◆そして、この数々の矛盾がいつの日か「うるせい　ババア」と子どもがキレる行動を生むのだ。

◆そのように考えると「はやめのパブロン」の松島菜々子さんは完璧である。まさに、30年間「言動一致」である。

いつもニコニコと清々しく生きるための一筆写経の輪橋山徒然話