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耕田院の日常(205回目)山形県羽前大山駅

人生相談に「もう一度昔別れた恋人に会いたい

投稿日:2023年03月02日(木)
「妙齢」と「高齢」と「寛齢」について考える。

◆人生相談に「もう一度昔別れた恋人に会いたい」という相談をされていた妙齢のご婦人がいた。もう70歳はいくつか超えているというお話をしていた。ここまで書いて手が止まった。

◆あれ、「妙齢」のご婦人とはいくつぐらいの女性なのだろう。

◆慌てて辞書をみる。辞書にはこうある。

妙齢 「女のうら若い年頃」「若く美しく可憐な女性」「結婚適齢期の女性」

◆妙齢のご婦人というのは、てっきり老婦人のことをさすのかと思っていた。しかし、
字のつくりを見れば「妙」は「女」「少」であるので「少女」でもあるなと思いながら。そ
れにしても、10代20代と70代である。なぜこんな勘違いが生まれたのだろう。全くの
正反対ではないか。

◆「毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術」(岩佐義樹著)がうまく説明している。
●誤用の実態について
Q「妙齢の女性」といったら、どの年ごろをイメージしますか?

まだ若い年ごろ 33.9%
もう若いとはいえない年頃 56.4%
どちらとも言える 9.8%

本来の意味の「まだ若い年ごろ」を選んだ人は3分の1で、過半数が「もう若いとは言えないぐらいの年ごろ」を選んだ。誤用の理由の一つに「若いというには微妙な年齢と思ってしまう」という解釈があるようだ。
https://salon.mainichi-kotoba.jp/archives/23494 毎日ことばplus

◆「妙齢」の同義語は、「芳紀(ほうき)」女性の若くて美しい年ごろとか、「年頃(としごろ)」である。なんと、反対語はなんと「男盛り」である。笑ってしまった。

◆さて人生相談に「もう一度昔別れた恋人に会いたい」という相談をなされていたご婦人は、70歳を超えていらしたので、「マダム」のような便利な言い方があればよいのだが。そもそも、結婚の適齢期などとうになくなっているこの時代、「絶妙」のご婦人の意味で妙齢のご婦人でもいいような気がするのだが…。

◆「妙齢」の逆の意味は「高齢」。それではあんまりだ。いろいろ調べてみた。

◆逆引きの辞典で「齢」から引いた熟語に「寛齢」という言葉が見つけた。「寛」は広い・ゆとりという意味を持つ。広い世代を網羅できそうである。ぴったりではないかと思った。そこで、本日は「妙齢」の代わりに「寛齢」を使うことにした。(そのうち大きな漢和辞典で、くわしく引いてみようと思う)

◆人生相談に「もう一度昔別れた恋人に会いたい」という相談をなされていた「寛齢」のご婦人だ。もう70歳はいくつも超えているという。そして、この「寛齢」ご婦人には、旦那さまも息子さんもいらっしゃるそうだ。

◆この「寛齢」のご婦人が、「昔の恋人」への恋心が50年経っても益々燃え上がり、苦しくてどうしようもないというのだ。うらやましいほどのこの若々しい思いだ。よくよく考えてみるとなぜ、「昔の恋人との美しい思い出」が50年経って、益々燃え上がることができるのだろう。

この続きは明日。   一筆付箋写経のすする→https://bit.ly/3lSfv0M
耕田院(山形県)

すてき

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