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耕田院の日常(203回目)山形県羽前大山駅

「言いようのない不安」

投稿日:2023年02月28日(火)

◆人生百歳時代であると言われて久しいが、先行きは全く不透明な時代である。コロナ禍での人と人との繋がりへのダメージは大きいし、北の国の争いはそれに拍車をかけている。当たり前だと思っていた我が国の平和さえ危うい。

◆その現実の中で、ネガティブな気持ちが積もり、不安に襲われることがあるだろう。そして、「私は大丈夫だ」と言っている人ほど要注意だと付け加えておこう。

◆このいいようのない不安と、どうのように向き合えばいいのが、大きな課題であると考えている。

◆しかし、「不安に押し潰されてはならない」と思い、無理やり、不安を忘れようとし、蓋をかぶせて隠してしまうことも一つの方法のように思える。ところが、これでは全くもって解決しない。

◆なぜなら、不安の種などというものは、そこから目を背けようとしたり、追い出そうとしたりすればするほど、逆にますます強固な塊に成長してしまう性質があるのだ。

◆だからこそ、目を背けようとはせずに、対峙する道を選択しなければならない。真正面から見据えて 自分は何に不安なのか、原因をはっきりさせたい。これだけでも不安に飲み込まれ、自分が蝕まれること、例えば、鬱のようなことはなくなるはずだ。

◆不安との対峙の手段「第一歩」は、「書く」ことだ。「書いて、書いて、書く」この向き合い方がいいようだ。頭で考えただけでは、堂々巡りしてしまいがちだ。しかし、いったん文字や図にするともやもやが晴れてくる。見方が広がる。つまり、不安を「書く」ことに転化するのだ。見られたくない日記なら書いたページは糊をつけておけばいい。

◆あえて曖昧にしていたことにも気が付くだろう。マイナスばかりの図の中に、プラスの事項も見出せるかもしれない。あるいは、自分の中にある三毒、貪瞋痴(とんじんち)に気が付くかもしれない。

◆さて、日々是吉日という南禅寺の門前の老婆の話がある。この話も何かのヒントになろう。

◆昔、京都は南禅寺の門前に毎日泣いて暮らしている老婆がおった。わけを訊ねると、二人の息子がおり、一人は下駄屋、いま一人は傘屋だという。

◆老婆がいうには、今日のように天気がよいと、傘屋の息子が、傘が売れなくて困っているのだろうと思い、雨が降れば降ったで、下駄屋の伜が困っているのだろうと思う。だから、いつも泣けてくるというのだ。

◆それを聞いた南禅寺の和尚さんが、「婆さん、考えが逆だよ。天気の日には下駄屋の伜のことを思い、雨の日には傘屋の息子のことを考えるのだ」と教えた。

◆その教えを守った老婆は、爾来(じらい)ニコニコ顔で暮らしたという。日々是吉日だ。

◆さて、この話で、変わったのは老婆の見方だけである。不幸な方ばかり見ていたのを、幸せな方を見る。つまり、自分の心の向きを変えたたけだ。それだけで、見える景色がまったく逆になったのだ。

◆私たちの不安は存外こんなものであるかもしれない。

輪橋山徒然話について

◆輪橋(りんきょう)山はお寺の山号。輪橋はアーチ橋という意味。そこから思い浮かぶのは「虹」。空にかかるアーチの橋という意味だ。此の岸から彼の岸、この世からあの世にかかる虹の橋という意味の山号だ。そこから住職がつぶやいている「徒然話」だ

今日も深呼吸と合掌とオンニコニコで

◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。

◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」といつでも清々しく保つための術「付箋写経」の輪橋山徒然話でした。
https://bit.ly/3lSfv0M  付箋写経について
耕田院(山形県)

すてき

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