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耕田院の日常(181回目)山形県羽前大山駅

「過去を嘆くな、未来を憂うな」

投稿日:2023年02月02日(木) 04時36分52秒
今朝の輪橋山徒然話は、「過去を嘆くな、未来を憂うな」。杉田玄白の「養生七不可」と寂聴さん。

◆甘酸っぱい「後悔」ならたくさん持っていたほうがよい。あなたがそれを語るとき、あなたは幸せそうに見えるからだ。

◆しかし、苦い「後悔」から抜け出せない人がいる。確かに大きな挫折だったろう。

◆キャナリゼーション(canalization)という言葉がある。“canal”が運河とか水路とかいう意味。“canalization”は“水路付け”。水は水路ができるとそのルートを同じように流れる。他のルートでは流れなくなってしまうことをいう。

◆私たちの心にこの「キャナリゼーション」が生まれてしまうと、水路は音を立てる。その音は「うじうじ」「いじいじ」。そして、その水路は顔に刻まれたシワと同じで、知らず知らずのうちに、だんだんと深くなる。そうなってしまうと、簡単に流れを変えることはできない。これも、流れる水と同じ。自然の摂理、物事の道理である。

◆“水路付け”により、思考が滞ることは、今まで何度か話題に上げてきた「鬱」症状の原因になる。また、「思考偏り」つまりバイアスをも生み出している。また、脳が同じような思考パターンを繰り返しているということは当然ながら老化を勧めているということなのである。

◆科学の進歩によって解明されてきた「こころ」の問題のようだが、実は200年前の健康法にも同様のことが記されている。

◆今日話題にする杉田玄白(1737〜1817)だ。江戸時代の蘭学医。若狭国小浜藩医。オランダの解剖書「ターヘルアナトミア」を日本語に翻訳し『解体新書』を出版した。人体の構造が解明される。近代医学の先駆者だ。

◆約200年前、彼は、「養生七不可(ようじょうしちふか))を表している。健康で長生きするためにはどうすればよいか内容である。

◆お医者さまが書かれた長生きの教えであれば「何を食べよ」と「食べ過ぎはよろしくない」とか書かれていそうであるが、そうではなかった。第一は「こころ」の問題なのだ。
次の通りだ。

◆昨日非不可恨悔(昨日のことは恨んだり悔やんだりしない)

昨日は過去、たとえ少しの過ちでももちろんあらためることはできない。しかし、人はひとたび思いもよらぬ不幸に出逢い、目標を失って自分の意にまかせることができなくなると、心にこだわり、忘れることができず、いつまでも悔恨(かいこん)が続く。こうなると心が晴れず、愚かにも天寿を縮めてしまう。

◆第二もまた「こころ」についてである。

明日是不可慮念(明日の事をあれこれと思い悩まない)

明日は知ることはできない。おおよそ、できるかできないかは賢愚(けんぐ)に関係なく、あらかじめ知ることができる。それなのに出来ることをせず、到底できそうにないことを無理になそうとして、無益に心を労してしばらくも心が平安でなく、鬱々(うつうつ)として日々を心楽しく過ごすことのできない人がいる。これもまた愚かなことに、天寿を失う。この二つを理解できないと、諸々の病気になる原因ともなる。この理を理解し納得する秘訣(ひけつ)は、ひとえに決断にある。
▶︎「養生七不可」(杉田玄白) 現代語訳2022.02.15 中島嘉文
https://sugita-genpaku.com/column/gendaigoyaku/2022426.html

◆「過去」を嘆き、「未来」を憂う「水路」にはまってしまうと、それが行動にも反映する。当然である。脳のバイアスがそうさせるからだ。その代表的な行動パターンは「くよくよ」考え「夜眠れなくなる」のだ。こうして、脳に生まれた思考の水路が行動にまで波及してしまう。

◆そんなときは、あったかくして、一杯だけお好きなものを頂くのだ。そして次の日の朝に送ってやるのだ。朝のあなたは、夜のあなたより賢明であるはずだから。

◆「後悔」と「決断」について、瀬戸内寂聴さんは次のようにお説きになっている。

人生90年なんてアッという間。だから、若いうちに好きなことをやっておくこと。あとで後悔するくらいならやって失敗した方がずっといいですよ。

若いうちの失敗、甘酸っぱい「後悔」はたくさんあったほうがいいのだ。寂聴さん流に言えば、失敗よりも「後悔」するくらいまでやる「後悔」なのだ。さすがである。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分りも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。
耕田院(山形県)

すてき

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