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こうでんいん

耕田院の日常(130回目)
山形県羽前大山駅

投稿日:2022年12月10日(土)
◆2022.10.6「拍手喝采」では巨大な敵「大スズメバチ」を「知恵」と「勇気」で退治するニホンミツバチをP0STした。これこそがジャイアント・キーリングだと。今、ワールドカップでそれを「サムライブルー」は成し遂げている。世界の強豪であるドイツやスペインを相手に、敵を取り囲み、しつこくボールを奪い、決勝ゴールも奪う。

◆ニホンミツバチは蜂球をつくる。蜂球とは、大量のミツバチが集まって身体をふるわせて熱を生む行動なのだが、自らの体温をなんと35度から48度まで上昇させるという。その熱をスズメバチの中でも最強と恐れられている大スズメバチに向け、退治する。

◆ズメバチやアシナガバチは肉食なので、食料を蓄えることはできない。だから、たった一匹の女王蜂だけが冬を越し、あとは死んでしまう。しかし、ミツバチは、蜂蜜を巣に貯め食糧とし、蜂球を作り寒さをしのぎ、働き蜂でも冬を越すのだ。

◆花のない冬。雪が降るようになってはミツバチも巣から出ることはできない。そんな折、冬囲いに忙しかったおとといは、冬の見事な晴天だった。お寺の駐車場でいい香りがした。この香りはなんだろう。そうだ。柊(ひいらぎ)だ。その柊の花には、最後の食糧調達なのだろう。ミツバチも随分と飛んでいた。

◆このお寺の柊は「棘(とげ)」のある葉が少ない柊である。ほんの少し棘がある葉も混じっていてで、なんとか柊とわかるのだが、ほとんどの葉は棘のある部分が「まあるく」なっている。この棘のない柊は、老木で先代がとくに大事にしていた樹木である。

◆「柊の花」は、私にとっては、心が落ち着く柔らかな花の香り、ミツバチにとっては、冬を越すための大切なエネルギーだ。(この様子はリールで昨日POSTしたのでごらんになってほしい)

◆さて「柊の花」というさだまさしさんの歌である。

宵闇の手探りの中でこそ
仄かに匂う柊の花
見せかけの棘にそっと隠した
その麗しくゆかしき花

その花の名前を呟くとき
美しさとは何かを思う
誰も居ない末の秋に咲いて
冬とすれ違いに行く花

愚かしい過ちの数々を
一つ一つ胸に並べている
あなたはそれでもこんな私を
許してくれるだろうか

◆「柊の花」は12月に入り、「誰も居ない末の秋に咲いて 冬とすれ違いに行く花」なのである。そして、冬に備えるものたちに、最後のエネルギーを与えるのもこの花なのだ。

◆厳しい冬のあとにはまた春が訪れる。つまり、その冬への覚悟と春へ希望が交錯するのが「柊の花」であり、この花がもつ美しさを備えた強さなのだ。

◆ちなみに、この曲のバイオリン演奏は、澤さん(東京藝術大学学長/バイオリニスト)だ。沢さんは、名器「ガルネリ・デル・ジュス」をお持ちだとか。さださんは「ガルネリ・デル・ジュス」が鳴ることを前提に、この曲を書いたと話している。そのとおり、素晴らしい曲に仕上がっている。ちなみに、「ガルネリ・デル・ジュス」とは、かの「ストラディヴァリ」と並び称される名工なのだとか。
耕田院(山形県)

すてき

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