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耕田院の日常(114回目)山形県羽前大山駅

お茶の効用と鉄分との相性(愛性)

投稿日:2022年11月23日(水)
◆サザエさんやまる子ちゃんの食卓には「水」や「お茶」はないという。まず食事中「水」「お茶」「コーヒー」は、食べ物をよく噛まずに「流し込み」してしまう習慣をつけ、そのため歯並びが悪くなったり、場合によっては食べ過ぎや肥満につながってしまうからだ。

◆しかし、このお茶の効用はすごいものがある。

◆お茶独特の渋みは成分で茶カテキン。このカテキンは、悪玉菌には強い殺菌作用がある。お茶を飲むことによって腸内の善玉菌の勢力を増やすことができ、抗菌・ 殺菌効果が期待できまる。アミノ酸のテアニンやGABAには、リラックス効果もあるのだ。更に、発がんを抑える作用、血液中のコレステロ-ルを低下させる作用、老化を防止する作用、血圧の上昇や血糖値の上昇を抑える作用、抗ウィルス作用、虫歯を防ぐ作用、口臭を予防する作用など実に多くの効きめを持つのだ。そして、カフェインは、眠気を覚まし、運動中の脂肪燃焼を助ける効果がある。

◆更に、ビタミンCも多く、急須でいれたお茶1杯で1日に必要なビタミンCの10分の1を摂取することができるという。ほかにも各種ビタミンが含まれ、中でも多いのはカロテンやビタミンEだ。カロテンは緑黄色野菜に多く含まれ、がん予防に効果があるのではないか、と近年特に注目を浴びている栄養素でもあるのだ。

◆もう一つ注意しなければならないことが「お茶」にある。

◆まず、忘れてはならないのは、お茶は薬であることだ。宋にわたり、禅宗とともに茶を日本に伝わった。栄西禅師の『喫茶養生記』という医学書があるが、「茶は、養生の仙薬なり、延命の妙術なり、山谷これを生ずれば、その地禅霊なり、人倫これを採ればその人長命なり」と養生の仙薬というのは、不老長寿を得ることができる、仙人の薬という意味だ。

◆実は、お茶やコーヒーに含まれる「タンニン」が鉄分の吸収と相性が悪いのだ。いや「愛性」が良すぎるのだ。

◆食事中のお茶は、食事で摂取した鉄分とタンニンが結合してタンニン鉄になり、吸収されずに、体外に排出されるというのだ。お茶成分が鉄分の吸収を妨げることがあるのだ。

◆鉄分は、血液中で酸素を運ぶ役割を担っている。欠乏すると酸素の供給が十分に行われず、いわゆる酸欠となって、疲れやすい、筋力が落ちる、めまいや立ちくらみがする。そして、鉄欠乏が引き起こすのは貧血だけではない。

◆更に脳内では神経伝達物質の合成がうまくおこなわれず、さまざまな精神症状があらわれる。例えば、ちょっとしたことで思い悩む、憂鬱な気分が長く続いたり、睡眠のリズムが乱れるようになると、これは、「鬱」の症状と同じだ。そのため、鉄欠乏の人がうつと診断されるケースもあるそうだ。

◆食事中のお茶の頂き方には、ちょっと注意が必要なようだ。

◆効果があるということは、その弊害もあることは当たり前なのだが忘れがちになる。全てに「よし」というものはもの世の中にはないのだ。お茶といえども万能ではないのだ。
耕田院(山形県)

すてき

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