磯野家の食卓

◆もしも、番組を打ち切る場合は、国民に正否問うて欲しいと思うのは「サザエさん」と「笑点」だ。私だけだろうか。

◆子どもの頃日曜日の夕方の「笑点」は視る事ができたが、「サザエさん」「アタックNO1」「ムーミン」はダメだった。このアニメを視る事ができたのは、母の実家に行った時だけだった。私の田舎では、随分長い間「UHFチャンネル」がないと「8チャンネル」は映らなかったのだ。

◆だから、いい年になっても特に「サザエさん」だけは別格だ。今では「サザエさん」の時代考証がめちゃくちゃだと言われても、なんとも気にならない。

◆それでも、今さらながら「サザエさん」には驚いた。

◆まず、季節は巡っても歳をとらない設定だ。その結果、波平さんは永遠の５４歳。着物姿の舟さんは５２歳のままという事実だ。

◆つまり私は随分前に「波平さん」の年齢を追い越していたのだ。しかも、波平さんはプロフィールによれば、超高学歴で「京都大学」出身。舟さんは日女大。マスオさんは早稲田で、タラちゃんのパパ「のり平さん」は東大出身だという。磯野家の学歴はエリート中のエリートなのだ。ちなみに、サブちゃんは「一橋大卒」だ。サザエさんだけは「あわび女子学園」でまともな設定だ。

◆つけ加えれば、マスオの同僚・穴子さんは27歳という設定。マスオがアニメでは28歳設定なので、マスオの後輩だということだ。この二人の会話が二十代だったとは…。

◆原作者の長谷川町子さんは1954年に「サザエさん一家の未来予想図」という本を出している。(もちろん私が生まれる随分と前)その中での10年後のサザエさんでは、2人目の子どもが誕生しているのだ。名前は「ヒトデちゃん」でスカートをはいているそうだ。でも、「ヒトデちゃん」が生まれたら、みんな一斉に歳をとらねばならない。だから、「ヒトデちゃん」の登場はサザエさんの夢の中の出来事になるだろう。

◆なぜ改めて「サザエさん」なのかというと今回は食事のシーン。つまり、昭和の食卓と躾だの確認したかったのだ。

◆確認したのは、磯野家の食卓には「水」や「お茶」はあるのかいうことだ。答えは、磯野家には「水」や「お茶」は見当たらない。ちなみに「ちびまる子ちゃん」の食卓にも見当たらないようだ。

◆私も子どもの頃に「水」「お茶」を食事中にもってくると叱られた。昔は、このような躾やマナーについては理由など説明しない。だから、今までなぜ食卓に「水」も「お茶」NGなのか気がつかなかった。

◆この躾には理由があるという。特に、子どもの場合、食事中の「水」「お茶」は、食べ物をよく噛まずに「流し込み」してしまう習慣をつけてしまうというのだ。口の悪い人は「水洗式」という呼び方をしている。つまり、どんどん飲み込んでいく癖をつけてしまう。その結果、噛む必要がなくなる。歯並びが悪くなったり、場合によっては食べ過ぎや肥満につながってしまうのだ。

◆すでにタラちゃんを追いこした孫の食卓は、どうなっているだろう。