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耕田院の日常(96回目)山形県羽前大山駅

「腹の虫」と「寄生虫」

投稿日:2022年11月04日(金)
◆ハロウィンでもスターだろう。ひときわ異様な千と千尋の神隠しの「カオナシ」。黒い身体にお面をつけたような顔、その下に大きな口を持っている。「カオナシ」は欲望に支配された人間を翻弄する。

◆「カオナシ」は千尋が好きなのだが「あ…」「え…」などの声しかでない。言葉かなく、表情も変わらない。湯屋で大暴れし、巨大化する。結局は、千尋に「苦団子」を食べさせられ、飲み込んだものをすべて吐き出した「カオナシ」は、元の姿へ戻っていく。

◆飲み込んだ全てを吐き出すとそこには優しい本性が見えてきた。

◆「カオナシ」は腹の虫だ。子どもの頃ガツガツ食べる大食いの人がテレビに出ていた。あれは「腹の虫」に「食べさせられている」のだと先代住職が言ったことを思い出した。

◆相撲取りでもないのに、あんなに食べるのは、腹の虫が「もっと、もっと」と欲しがっているのだと言うのだ。そして、この腹の虫は、その他にも、すぐに「腹」を立てたり、すぐに「泣いたり」と大変な存在だから、まずは自分の腹の虫に支配されぬようしなければならないのだと教えられた。

◆腹の虫は「例え」であるのだが、自然界には、実際に寄生した生き物の体を乗っ取り、コントロールする寄生虫がいる。

◆カタツムリに寄生する「ロウコクロリディウム」という寄生虫だ。この寄生虫は、鳥に寄生する虫であるのだが、一箇所に留まっているのではその鳥と一緒に滅びてしまう。それを避けるために他の鳥に寄生するのだが、鳥と鳥を結ぶ寄生場所として「カタツムリ」を選んだ。

◆この「ロウコクロリディウム」の方法が見事である。

◆鳥のフンと一緒に寄生地の鳥の本体からでる。カタツムリは鳥のフンを食べること(口に入ること)がある。一旦口に入ってしまうとカタツムリの体にとんでもない変化が起こる。
参照(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/sns-31.php)

◆「ロウコクロリディウム」は、カタツムリの行動を操り、日当たりのよい場所へと移動させる。そして、目の先端に移動して、鳥の大好物であるイモムシが動いているように自らが振る舞うのである。

◆目の中で動き回る「ロウコクロリディウム」に争(あらが)って、カタツムリは盛んに角を揺り動かす。それがなおさらイモムシのように目立たせてしまう。結局、鳥に捕食され「ロウコクロリディウム」の引越しは完了する。

◆さて、人間の腹の虫は何をさそっているのだろう。
耕田院(山形県)

すてき

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