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耕田院の日常(66回目)山形県羽前大山駅

「チンパンジーvs人間」2022.10.1朝4時半の話

投稿日:2022年10月05日(水)
◆「チンパンジーと人間」は、ほとんど同じと聞いてあきれた。そんなはずはないでしょうと。「じゃあ、遺伝子はどれぐらい同じだと思う?」と聞かれ、私は、「80%」と答えた。すると、「そんなものではない」と彼女は言った。実は、人間とチンパンジーは、98.77%は同じ遺伝子なのだと。

◆「えっ」私は、思わず「あなたの98.77%はチンパンジー」と言われたような気がした。だって100ピースのジグゾーパズル1枚しか違わないということであり、1000ピースでも12枚の違いなのだ。「1.23%」の違いとはそういうことである。

◆しかし、人間と同じ祖先を持ち、500万年くらい前に人間と別れ、別々に進化したのがチンパンジーだと考えれば少しは納得がいく。そして、このチンパンジーとの「1.23%」の違いが、人間の人間たる所以なのだという。

◆改めて、チンパンジーと人間の違いは何だろう。身体能力はもちろん違う。そして、もう一つは脳の働きにありそうだ。

◆この分野の第一人者は松沢哲郎先生だ。著書にはよく「アイ」「アユム」という名前のチンパンジー親子が登場する。このチンパンジーの親子の能力は、私の想像をはるかに超えていた。

◆まずこの2匹は、「アイ」が母親で、「アユム」が息子の親子である。母親の「アイ」の能力は、コンピューター画面を使って数字や文字を覚えることができる。 例えば こんなことだ。コンピューター画面にある1から9までの数字を、「アイ」は小さい順に指で触れていくことができるのだ。実際に映像でみた。すごかった。

◆4歳まで何も教えられなかった息子の「アユム」は、母親のそばで、その様子を見ていたのだろう。4歳の時に母親と同じコンピューターを与えられると、みるみる数字を学習して、半年で1から9まで数字の順番がわかるようになったという。注目したいのは、4歳ということ。これは、人間で言えば小学校1年にあたること。もう一つは、母親の学習を見て学習していたことだ。

◆さらに「アユム」たちは、人間よりもずっと優れた「記憶力」を持っていたのだ。これは「マスキング課題」によって判明した。

◆「マスキング課題」とは、1~9のなかからランダムに選びだされた数字が,タッチパネルの画面に現れ、一番小さい数字を押すと他の数字が白い四角形に変わってしまう。つまり,他の数字とそれぞれの位置を記憶できているかというテストだ。数字を小さい順に正しく押すことができれば正解なのだが,チンパンジーの子どもは画面に示された数字を一瞬で記憶できるのだ。直観像記憶というのだそうだ。

◆この実験のときに「アユム」がスタートの数字に触れるまで0.7秒。ほぼ画面に数字が映った瞬間に全ての数字と位置を覚えることができたのだ。しかも、このマスキング課題は他の子どものチンパンジーもクリアするそうだ。しかし、大人のチンパンジーではこの能力は低下していたという。加齢だ。また、記憶する時間だが、人間の小学生も大学生も大人も全く相手にならない速さだ。

◆松沢哲郎先生によれば、野生の暮らしの中でこうした瞬間的な記憶が役に立っているという。群れで生活する中で、仲間同士の争いも頻繁にある。また他の群れと出会った時、瞬時に相手の数や位置を把握し、戦いに備えるのに必要な能力なのだそうだ。

◆松沢哲郎先生は、人間にも、もともとはこの能力があったが、「何かを得るために」捨て去ったという。これを「知性のトレードオフ仮説」というのだそうだ。   つづく
耕田院(山形県)

すてき

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