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耕田院の日常(41回目)山形県羽前大山駅

「ヤドカリの引越し」 2022/8/23朝4時半の住職の話」から

投稿日:2022年09月11日(日)
◆共存共栄に登場したヤドカリは、てっきりカタツムリと同じように自分の成長に従って貝も大きくなるのだと思っていた。しかし、それは大きなカン違いだった。

◆実は、ヤドカリは、自ら丁度いい巻き貝の殻を探し、それに間借りしているのだ。その殻を、「鎧」のように背負い、頭胸部だけを出して歩き回る。そして、何か危険を感じると、素早く殻の中に引っ込み、鋏と脚で殻の蓋をして身を守る。

◆しかし、いつまでも同じ殻で生活するわけにいかない。なぜなら、自らが成長するからだ。つまり、体に合わせた殻が必要になる。その時に、「殻交換」というヤドカリ独自の生きる知恵が発揮される。

◆「殻交換」は、大きいヤドカリから小さいヤドカリに仕掛ける。その方法はラッピングと言われる方法だ。大きいヤドカリは相手の殻を自分の方に引き寄せ、自分の殻をコツコツとぶつける。こうして、小さいヤドカリを追い出そうとする。この時、小さいヤドカリが出て来れば、その貝殻に自分が入り「殻交換」が成立する。しかし、必ず相手が応えるわけではない。殻から絶対に出てこず、断固拒否する例も多いらしい。

◆また、ヤドカリのラッピングは、相手を脅しているのではなく、相手の貝殻の大きさや奥行きなどの情報を収集しているという研究もあるそうだ。コツコツを聞いて、互いに、相手の殻全体を把握し合うのだという。ということは、高度なコミュニケーションが成立していることになる。

◆なかなかうまくいかないヤドカリの「殻交換」である。それならば、新しい貝殻を探せばよいと思うが、それは意外に難しいらしい。そのため、時には、生きている貝を襲うこともある。

◆その時、一匹のヤドカリが巻き貝を襲っていると、なぜか何匹ものヤドカリが寄ってくるのだ。そして、集団での襲撃。成功すれば、幸運なヤドカリが新居を手に入れる。すると、一つ貝殻が余ることになる。ここから、ヤドカリの「椅子取りゲーム」が始まる。そして最後には、みすぼらしい貝殻が一つ残るというのだ。なんとも面白い。

◆たぶんヤドカリは、殻以上にどんどん大きくなれないのだ。しかし、その殻を捨てて大型化の道を選択したヤドカリの仲間がいる。

◆例えば、「ヤシガニ」。子どものうちはヤドカリ同様、柔らかい腹部を貝殻等で身を守るが、成長と共に腹部にも強固な外骨格が再形成され、殻を必要としなくなる。ちなみに、ヤシガニの大きさは、雄の体長は40センチメートルを超え、脚を広げると1メートル以上にもなる。重さも4キログラム以上に成長するという。また、あの「タラバガニ」なども殻を捨てたヤドカリの仲間だ。

◆殻を捨てて巨大化の道を歩んだ「ヤシガニ」や「タラバガニ」。貝殻の大きさに合わせて、「身の丈を知り」生きる「ヤドカリ」。どちらにあなたは共感するのだろうか。
耕田院(山形県)

すてき

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