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法話と天井絵の寺 観音寺の日常(168回目)徳島県立道駅

迷わず行けよ 行けば分かる

投稿日:2021年08月30日(月)
越後(現在の新潟県)の名僧に良寛上人がいます。

良寛上人は、日が暮れるまで村の子供たちとかくれんぼをしたり、手鞠をついて遊んだり、素朴で優しい姿を連想するようなお坊さんとして有名です。実際は、曹洞宗の托鉢僧で師匠の教えを守り、生涯寺を構えず、妻子をもたず、物質的にも無一物に徹して、清貧の思想を貫いた人です。

良寛上人の生い立ちは、越後国の名家に長男として生を受けましたが、幼少期は手習いをすることも書物を読むこともせず、朝寝坊して気ままに過ごす子どもでした。ある日、幼い良寛さんは朝寝坊して父親に叱られて上目づかいで父親を睨んだとき、「父母を上目で睨むような者は鰈(かれい)になってしまうぞ!」と父親が叱り上げると行方不明になってしまいました。ようやく、夕方の海礁にたたずむ良寛さんを家人が見つけると、彼は「まだ自分は鰈になっていないか?」と尋ね、いつ鰈になってもすぐに海に飛び込めるよう態勢を整えていたといいます。純粋な子どもだったようですね。

良寛さんは年頃になると「長男であっても家督を継ぐことはできない」と出家してしまいます。
修行を重ねて住職になる免許皆伝であったにもかかわらず、清貧の思想を生涯貫きました。
寺の住職に請われたときも「焚くほどは 風が持てくる 落ち葉かな」と詠み、断ってしまいます。
食事に煮炊きするための落ち葉は風が持って来るものだ。寺の住職など大仰なものは、私には必要ないのだと言ったのです。


上記の写真は、良寛上人の言葉です。

この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし 踏み出せば その一歩が道となる
迷わず行けよ 行けばわかる


真っ暗な道を行くことは怖いことです。将来の保障のない道を歩くのは怖いことです。
怖いから迷い、一歩を踏み出せなくなります。
こんなときこそ良寛上人は「踏み出せば その一歩が道となる」と説きました。

迷わず行けよ 行けばわかる

行ってみないと分からない。行ってダメなら方向転換すればいい。
今日もまた一歩、勇気を出して踏み出していきましょう。

合掌

仏教の知恵で心豊かに過ごせますように祈念しております。
法話と天井絵の寺 観音寺(徳島県)
良寛上人の言葉

すてき

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