網戸神社のお参りの記録(1回目)
栃木県間々田駅

栃木県小山市の網戸神社に詣でた。鳥居を抜けると、思川の風がそっと近づき、ここが水と生活を結ぶ場であることを思い出させる。
主祭神は田心姫命――宗像三女神の一柱で水運や航路の守護を司る神である。社伝は古く、社殿の再建が大同元年（806）と伝わり、藤原秀郷が平将門討伐の際に祈願し奉納したという話や、源頼朝の関与を示す記録も残る。
大正期の河川改修で遷座した歴史を経て、現在の境内には力石やいくつかの境内社が並ぶ。
簡素な拝殿は、古来の信仰が日常の暮らしと混ざり合った時間の層を静かに抱いている。手を合わせると、昔の人々が同じ空を見上げて願った景色が蘇り、目の前の稲穂や木立がその物語を静かに伝える。
観光地の喧騒はないが、土地に根付いた祈りを感じ取り、また折に触れて訪ねたいと思わせる小さな古社だった。
御朱印は社務所がお休みだった為、頂けなかった。社務所はかなりお休みがあるので、次回は公式ホームページで確認してから参拝したい。