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今回は奈良県の寺巡りです。1寺目は、桜井市笠(かさ)区に在る鷲峰山 竹林寺です。笠区の住民(約60戸)にて護られています。桜井市は奈良県中部にあり、古墳が多数残り、大神神社・長谷寺・談山神社等の由緒ある神社仏閣も多数。この笠区は蕎麦(そば)が有名だそうです。
竹林寺の仏像拝観は年に数日の決められた日にしか出来ません。笠山三宝荒神大祭が執り行われる1/28と4/28と9/28。拝観時刻を桜井市役所の観光まちづくり課に確認してから伺いました。(ネット検索すると薬師祭の4/8、8/14、9/8にも拝観出来る様ですが、時刻を含めて確認されるのが良いと思います。)笠山三宝荒神大祭とは、竹林寺に祀られた「板面荒神」の御霊を分霊し、地元の長老や氏子さんが神輿で笠山荒神までお渡りを行う儀式(祭り)。「板面荒神」とは、良辯僧正が奇瑞を受けて荒神の姿を板に描いたものを、弘法大師空海が写したものと伝わります。
宗派は不明、本尊は薬師如来(恐らく)。
こちらの薬師如来立像は重文、地蔵菩薩立像は県指定文化財です。
元は、加佐寺(笠寺)と称し、聖徳太子あるいは良辯僧正の創建とされ、跡地の名称から大規模な伽藍や支院を有する寺院であった。長谷寺の奥之院と言われ、長谷寺の十一面観音像を造った楠の霊木の共木で薬師如来像を造り、笠寺に奉安されたと伝わりますが、創建当時の仏像は何れも現存していません。明治初の神仏分離までは荒神社と一体であった。現在の竹林寺はこの笠寺の中の一寺として継承されたものとの事です。
実は今年の1/28が土曜日だったため訪れる予定にしておりましたが、降雪の予報で、山間部と言うことで見送り、この4/28は偶々会社が休みだったので計画しました。8:30~16:00に拝観可との事でしたので9:00に到着。境内に停めさせて頂きました。境内には本堂、白髭大明神、鐘楼、収蔵庫があるのみ。既に本堂は開けられており、礼服を着た地元の方に迎えて頂きました。笠区の標高は500m位と高いのに眺望が利かないと笑いながらお話されていました。また、境内に入る両脇に枝垂れ桜があり、今年はとうに散ってしまったと残念そうでした。
文化財指定の仏像が安置されている収蔵庫は本堂の裏側にあり、まだ扉は閉まっていましたが、9:30頃に開けられました。
まず本堂に上がらせて頂きました。正面の壇には十一面観音立像。何か可愛らしくて、身体に厚みはなく、う~んという感じ。右側の脇間には閉扉された厨子とその前に神輿。厨子の中には「板面荒神」で、その御霊を載せるための神輿です。左側の部屋には小像や版木が置かれていました。本堂を出て収蔵庫へ。拝観料300円を賽銭箱に納めて中に入らせて頂きました。薬師如来立像(重文)と地蔵菩薩立像(県指定)を安置。薬師如来立像は、高さ約194cm、榧の一木造り、 平安時代前期の作。重量感、深く刻んだ襞、Y字もくっきり、とても力強いです。(写真を沢山載せてしまいました。) 地蔵菩薩立像は、高さ約80cm、鎌倉時代の作、丁寧でそつがない綺麗な像です。
式が始まるのは10:30からとの事で、先に笠山荒神社と閼伽井不動を参拝してこちらへ戻ってきて少し待っていたら10:20から祝詞が始まりました。次へ向かう時刻ギリギリの10:30まで観ていましたが、後ろ髪を引かれる思いでこちらを失礼しました。尚、御朱印は無いとの事でした。
本堂
白髭大明神
鐘楼
「板面荒神」が納められている厨子と御霊を笠山荒神まで運ぶ神輿
十一面観音立像
如来荒神像?
不動明王立像
愛染明王坐像
版木
収蔵庫
薬師如来立像
Y字の彫り
腕から下がる衣の複雑な襞の造形
地蔵菩薩立像
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