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長光寺の日常(60回目)長野県大屋駅

お世話になったご住職の密葬に行ってきました

投稿日:2023年02月28日(火)
先日近隣の大変お世話になったご住職さまが突然亡くなられ、昨日通夜、本日密葬に行ってまいりました。

ちなみに、お寺の住職がなくなると、密葬と本葬があります。
本葬は檀信徒や近隣寺院を招いてのお寺を上げての大々的なご葬儀であり、密葬はご親族やお付き合いの深かったお寺さんをのみ行うお葬儀です。

亡くなられたお上人は住職と2つしか違わず本当に突然遷化されました。
亡くなられる一週間ほど前に会議で元気なお姿をお目にかかったばかりでした。
遷化されたという一報を聞いたときは本当に耳を疑いました。

しめやかな読経の中、在りし日の面影、そしてお上人との色々な思い出が思い出されました。
私のような若輩者にもよく声をかけていただき、「イチヨウさん、イチヨウさん」といつも名前で呼んでもらいました。そんなお上人との一番心に残っているエピソードをお話します。

それは6年前。
私の母が60歳の若さで死去した通夜での出来事です。
私の母もあまりに突然の死去でしたので呆然として実感がわかず、弔問に来ていただいた方々へ放心状態で挨拶をしていました。
そんな中、このお上人がおいでになり母の前で読経をしてくださりご挨拶を一通り済ませお帰りになられるときでした。
「イチヨウさん、イチヨウさん」
といつものように手招きで私を廊下の奥のひと目のつかない場所に呼びます。
何事か、と駆け寄りますと

「つれえよな、悲しいよな。」

とボロボロと涙を流して泣きながら優しく抱きしめてくださいました。

私も今まで人前だから、と我慢していた涙が堰を切ったようにとめどなく流れおいおいと泣いてしまいました。

「悲しいときには泣いていいんだ。母親が、大切な人が死んで悲しくない人間なんていないよな。」
しばらく胸を借りて一頻り泣かせていただいたあと、そんなふうに涙と鼻水でグチャグチャな自分にハンカチを貸してくださいました。

きっとこのお上人はお檀家さんのお葬儀でもこうやって悲しみに寄り添っておられるのだろうな、と確信に近いものを感じました。

その日から、自分も「こんな人の悲しみや苦しみに寄り添えるお坊さんになりたい」と思い、過ごしてきました。

もともと涙もろかった私。
お葬式で遺族の方とお話したり法話をするとどうしても涙がでてしまいそれをコンプレックスに感じていた時期がありました。
しかしこの日を境にお上人にしていただいたように、ときには一緒に涙を流しながら少しでも気持ちに寄り添えるようにお話を聞いたり、お声をかけたりさせていただいております。

「私よりも泣いてくださいましたね笑」
と先日、あるお檀家さんのお葬式の際にお施主さんよりおっしゃっていただきました。
「でも、嬉しかったです。私もお坊さんがひと目をはばからず泣いているのだから私達も人前で泣いてもいいんだ、と大いに泣かせてもらいました。」と少し恥ずかしそうにおっしゃっていただきました。
「実はですね、私の尊敬するお坊さんで、、、」


「お上人に教えていただいた大切なこと、これからも多くの人に伝えていきます。本当に、有難うございました。そしてお疲れさまでした。」

出棺の際にそのようにお声掛けしてお見送りさせていただきました。

空は春の到来を告げるような雲1つない青空でした。
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すてき

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