元町厳島神社のお参りの記録(1回目)
神奈川県石川町駅

神奈川県横浜市中区元町に鎮座する厳島神社。
JR根岸線石川町駅から徒歩6分、みなとみらい線元町・中華街駅からも徒歩8分ほどと、アクセスは非常に良好です。立地としては、中華街を首都高速道路で挟んだ反対側にあたり、また横浜元町ショッピングストリート沿いということもあって、買い物や散策とあわせて参拝ができるのが魅力です。

鳥居から社殿までは、緩やかながらも断続的に登りが続きます。数段の石段を上った先に拝殿があり、参拝者は自然と背筋を伸ばして歩みを進めることになります。このわずかな高低差が、神域へと向かう心持ちを引き締める役割を果たしているように感じられました。

創建は約700年前と伝わり、長い歴史を誇ります。昭和初期に現在の地に遷座しましたが、戦時中に社殿は失われ、その後昭和36年に再建されて現在の姿に至っています。度重なる歴史の荒波を経てなお、この地に鎮まり続けていることに、強い信仰の支えと地域の人々の思いを感じます。

御祭神は、市杵島姫命、多岐理姫命、多岐都姫命の三柱。いずれも水にまつわる神様であり、厳島神社らしい御祭神といえるでしょう。境内社には金刀比羅宮と皇大神宮が祀られており、金刀比羅さまも水との関わりが深い神様です。港町横浜の風土とも響き合う信仰が息づいているのだと思われます。

社殿や鳥居に巡らされた鮮やかな朱色の柱が、参拝者の目に強く印象を残します。その色彩は賑やかな元町の街並みに負けず、むしろ調和しているかのようです。拝殿の背後にはこんもりとした緑の丘が広がり、都会にありながら自然に抱かれていることを実感させてくれます。

横浜元町という土地柄を反映してか、全体として華やかで明るい雰囲気が感じられる神社でした。伝統的な神社でありながら、どこか洋風の街並みに寄り添って存在している点も、この神社ならではの魅力といえるでしょう。

なお、境内で見かけた表記には「嚴島」と旧字体が用いられており、歴史の深さと由緒を重んじる姿勢がうかがえます。時代を超えて変わらぬ信仰を伝える、その証のようにも思えました。

横浜駅方面からやってきましたが、日が暮れてきましたがまだまだ歩を進めます。