【令和七年卯月切絵御朱印】

　今月の切絵御朱印には桜と鶯をあしらい奉製いたしました。
　桜は３月中旬から５月中旬頃までが花の見頃といわれ、春を告げる花のひとつであり、その美しさは日本人の心を象徴するものとして大切にされてきました。
　「さくら」という名前の由来には諸説ありますが、『古事記』や『日本書紀』に登場する「木花咲耶姫（このはなさくやひめ）」が桜の美しさをたたえる女神であり、桜のはじまりの神とも言われることからその名の一部を取り「さくら」としたと言われます。また桜は古くから穀物の神が宿る木と考えられており、「さ」は稲の精霊、「くら」は精霊が宿る場所を指す言葉として、これらを組み合わせ名付けた、とも言われます。
　鶯は「春告鳥」や「花見鳥」とも呼ばれ、スズメくらいの大きさの小鳥です。オリーブ色の背中で、目の上に白い眉斑があるのが特徴です。可愛らしい鳥ですが、警戒心が強く藪などに隠れていることが多いので、ほとんど見かけることがありません。春になると、雄は求愛と縄張りの主張のため、おなじみの「ホーホケキョ」という鳴き声を響かせますが、秋から冬にかけては「チャッチャッ」という鳴き方に変わります。春を告げる鶯は、良い知らせを運ぶ鳥とされ、鳴き声を聞くだけで幸福が訪れるとも言われる縁起の良い鳥です。
　ご参拝の皆様が神様方のお護りのもと、このひと月を華やかにお健やかに過ごされますことをお祈りいたしております。

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